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浦和が始動。柏木は“チャラ男”卒業で気合!

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 タイトル奪還を目指す浦和レッズは11日、さいたま市内の大原サッカー場で始動した。ダッシュや走り込みなどフィジカル系のトレーニングに加え、何といきなりポジションとタッチ数を決めた10対10のミニゲームを実施。選手は入念な調整をしてきたとあって、軽快な動きをみせた。

 サポーターも約1000人が集まっての2010年の“初蹴り”。注目を集めたのは、やはり新加入の日本代表MF柏木陽介だった。誰よりもファンの声援を受け、プレーもイキイキ。日本代表のイエメン戦のためにすでに体を作っていたこともあって、初日から持ち味の運動量を発揮した。

 柏木は「人がすごく多くて、一瞬、試合かと間違えた(笑)。プレーの状態? やろうとしていることはできたと思う。FWを追い越す動きとか。(今後)自分から積極的にコミュニケーションを取っていきたい。持ち味の運動量とか、ゴールに絡む動きをしたい」と早くも主力選手としての自覚をのぞかせた。

 見せつけたのは、プレーだけではない。“見た目”も浦和での頑張りを決意するものに“チェンジ”していた。

 「やっぱり第一印象は大事やから。“チャラ男”っぽく見られると思ったんで。青年ぽくしました。(髪の毛を結んでいた)ゴムもいらなくなった(笑)」

 9日の入団会見では、かなり明るめの茶髪にロン毛だったが、これをばっさり。色も、黒に近い色に染め直し、かってのニックネーム“王子”らしい、さわやかな柏木に変貌していた。

 厳格なフィンケ監督の性格から“見た目のアピール”を考慮し、前日に美容院に出かけたという。広島では中心選手だったが、浦和ではまず、激しいレギュラー争いを勝ち抜かなければならない。サッカーに見た目は関係ないとも言えるが、浦和でプレーするうえでの、柏木なりの決意の表れだった。

 「きょうはすいません。ごめんさない。時間ないんで、サインできません。(午後)3時にクーラー(エアコン)の取り付けに来るんです。クーラーがないと、寒くて寝れないので、きょうはホントごめんなさい。あしたはサインします!」

 浦和は始動日ということもあって、寒空の中、大半の選手が数百人のサポーターにサインしたり、記念撮影に応じた。ファンも柏木のサインを心待ちにしていたが、引っ越したばかりの部屋に、エアコンの取り付け業者が来るため、帰り際にサポーターに“懺悔”しながら、簡単に記念撮影と握手に応じて足早に帰宅した。

 始動からいきなり、「クーラーがないから部屋が寒い」と、とんちんかんな言葉や、サポーターへの“第一声”が「すいません!」と謝罪だったり、さっそく周囲を笑わせ、持ち前の愛くるしいキャラクターを発揮した柏木。だが、これも序章に過ぎない。今後は、試合に勝利し、タイトル奪取に貢献して、サポーターにこの日以上の笑いと笑顔を届ける。

〈写真〉さわやかな髪型に変身した柏木。サインをする時間がないと、サポーターに頭を下げる

(取材・文 近藤安弘)

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