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[高校選手権]序盤の硬さ尾を引いた青森山田、優秀選手4人らとともに雪辱へ

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[1.11 全国高校選手権決勝 山梨学院大付 1-0 青森山田 国立]

 優勝候補の前評判通りに力強い戦いぶりで決勝へと勝ちあがった青森山田(青森)だったが、栄冠には手が届かなかった。

 立ち上がりに見受けられた硬さが最後まで尾を引いた。リズムに乗れないまま迎えた前半11分に、失点。前日練習でもリラックスした表情だった初出場・山梨学院大付(山梨)とは対照的に「勝たなくてはいけない」という緊張感がチームからにじみ出ていたが、重圧が青森山田から本来の動きを奪っていた。

 優勝争いのライバル・神村学園(鹿児島)などを沈めてきた前線からのハイプレス。だがこの日は、むしろ相手の動きの良さの方が目立った。「予想以上に硬さがあり、伸び伸びとやっていた山梨学院に比べると緊張が見えた」と黒田剛監督。先制されて目を覚ましたチームは前半終盤から守備面も機能し始め「いい守備からいい攻撃を」の狙い通りにチャンスを増やしていく。

 指揮官が「高校では一番のボランチ」と言い切るMF椎名伸志主将(3年)とMF柴崎岳(2年)のコンビを中心に攻撃を繰り出し、ひとりで7本のシュートを放ったFW野間涼太(3年)や左足首の負傷をおして出場したFW成田鷹晃(2年)らがゴールへと迫った。後半終了まで10分以上を残した時点からパワープレーを展開してがむしゃらに攻めた。
 だが計17本放ったシュートがゴールを破ることはなかった。黒田監督は「相手は何が何でも1点を守る姿勢だった。ツキがなかったのもあるだろうし、精度が悪かった面もあった」。攻め続けてはいたが、この日は相手を上回る明らかな差をつくることができなかった。

 今大会は15回目の出場で初の決勝進出。周囲の期待の大きさを感じていただけに悔しさも当然大きかった。ただ、シーズン通して課題だった守備の安定とともに選手権でのチームの歴史を塗り替えたことも確か。指揮官は「次、この舞台に立った時に必ず優勝を手に入れられるようにしたい」。柴崎とGK櫛引政敏、DF横濱充俊、そしてMF三田尚希と大会優秀選手に選ばれた4人や成田ら経験を積んだ2年生を中心に来年、今年できなかったあと1勝に再挑戦する。

<写真>来年の雪辱を期す青森山田
(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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