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小笠原は攻撃的MFで、岡田監督「計算していたタイミング」

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 待ちに待った招集だ。MF小笠原満男(鹿島)がついに岡田ジャパンに初招集された。06年のドイツW杯以来、約3年半ぶりのA代表復帰。鹿島をJリーグ3連覇に導いた昨季MVPが、長い時をへてようやく代表に帰ってきた。

 岡田武史監督は会見で「彼の力は十分に把握していた。どのタイミングで必要になるかを考えていた」と語った上で、「彼が今やっているボランチではなく、攻撃的MFとして期待している」と起用法についても明かした。

 ボランチにはMF遠藤保仁、MF長谷部誠という不動のダブルボランチがおり、バックアップとしてMF稲本潤一も台頭している。MF中村憲剛、MF阿部勇樹、MF今野泰幸らもプレー可能と、ボランチは飽和状態にある。岡田監督が狙いとしているのは攻撃的MFの強化だ。

 右サイドはMF中村俊輔、MF本田圭佑を主軸に、MF石川直宏も復帰したが、エスパニョールで苦しんでいる中村俊、VVVからCSKAモスクワに移籍する本田、故障上がりの石川と、いずれもコンディションに不安がある。左サイドは中村憲が軸になっているが、MF大久保嘉人、MF松井大輔を含め、完全にポジションをつかんだわけではない。

 岡田監督は「海外組を除くと、攻撃的MFの層は薄い。若手がそこそこ出てきているが、本当に彼らに頼って戦えるのか。小笠原の存在感を出してもらえたらと思って呼んだ」と、攻撃的MFのポジション争いに風穴を空ける活躍を期待していた。

 「彼の存在感、実績を考えると、呼んで外して呼んで外してということはできない。正直に言うと、ある程度計算していたタイミング。18人で行く試合のときは入れないかもしれないし、そこで外して、また(招集)人数が多いときに呼ぶということはできない。ここが人数を多く呼べる最後のチャンス。その最後に呼ぼうと思っていた」と明かした。

 25日に始まる指宿合宿から2月2日のベネズエラ戦までは9日間だが、そのままチームは東アジア選手権に臨む。岡田監督は「東アジア選手権には23人に絞って臨みたい」と、ベネズエラ戦後、数人を外す考えだが、そこで生き残れば、2月14日まで計3週間、代表チームで活動できる。チームのコンセプトを理解し、コミュニケーション、連係を深める時間は十分にある。

 大逆転での南アフリカW杯メンバー入りへ。1月25日の合宿初日から小笠原のラストアピールが始まる。06年6月22日のドイツW杯・ブラジル戦を最後に止まっていた日本代表の“時計”が1313日ぶりに動き出す。

(取材・文 西山紘平)

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