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「30歳の新人」小笠原が1321日ぶりの代表戦へ

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 1321日ぶりとなる代表戦が待ち遠しかった。2日のベネズエラ戦での先発が確実なMF小笠原満男(鹿島)。代表戦出場となれば、06年6月22日のドイツW杯・ブラジル戦以来、約3年半ぶりだ。

 「久々の青いユニフォームにドキドキする?」。そう聞かれた小笠原は「高校生じゃないんだから。もう30歳。ときめきはないと思う」と苦笑いしながらも、「やれることはやったので、試合が楽しみ」と素直な思いを口にした。

 W杯イヤーを迎えての岡田ジャパン初招集。7日間の指宿合宿では積極的にチームに溶け込み、必死にコンセプトの理解に取り組んできた。「ここではここのやり方がある。それを早く覚えないといけなかったけど、その時期は終わった。もう分かったので、次は試合でどれだけできるか」。驚異的な適応力を見せ、岡田武史監督からの信頼も得た。あとはピッチで見せるだけだ。

 個のアピールよりもチームのためにプレーする。自分の色を出すのではなく、自分がチームに合わせる。「競争とかは考えてない。自分を出すより、チームがやろうとしていることがどれだけできるか」。小笠原の姿勢は合宿初日からブレていない。

 「いろんな監督と、いろんなチームでやってきて、それぞれにやり方があるし、それに従うべき。自分はあとから入ったので、そうするのは当然。自分が引っ張るというイメージはない。30歳の新人なので。学ぶことは多いし、教わることも多い」。新人の気持ちで臨んだ今合宿。4年前の小笠原とは明らかに変わった。

 「W杯への第一歩? そんな感じでもない。自分はいつまで試合に出られるか分からない。次はいないかもしれないし。第一歩というより、100%でいかないといけない」。一戦一戦が勝負。目の前の練習、そして試合を全力でこなしていった先にアフリカの大地が見えてくる。

<写真>MF小笠原満男はベネズエラ戦で1321日ぶりの代表戦に臨む

(取材・文 西山紘平)

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