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スタンドにはため息も…W杯イヤーは不安な船出

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[2.2 キリンチャレンジ杯 日本0-0ベネズエラ 九石ド]

 日本代表は2日、キリンチャレンジ杯でベネズエラ代表と対戦した。MF小笠原満男が先発で06年6月22日のドイツW杯・ブラジル戦以来となる出場を果たし、後半14分からはFW平山相太も起用されたが、決定機と呼べるチャンスは少なく、無得点。国内組の主力で臨んだW杯イヤー初陣は消化不良のスコアレスドローとなった。

 日本はFW玉田圭司が右内転筋痛のため欠場。システムは4-4-2で、GK楢崎正剛、4バックは右から徳永悠平、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都と並んだ。中盤は遠藤保仁と稲本潤一がダブルボランチを組み、右に小笠原満男、左に中村憲剛。2トップは岡崎慎司と大久保嘉人だった。

 オフ明け初戦の影響か、立ち上がりは動きが重く、ボールの収まりどころもないため、なかなかボールを回せなかった。ベネズエラは中盤をダイヤモンド型にした4-4-2で、攻撃時はトップ下のMFアレハンドロ・ゲラが2トップに近い位置を取った。序盤は遠藤が下がり目でゲラをマークしていたが、10分過ぎに稲本と役割を交代。小笠原と中村も左右を入れ替え、流れを引き寄せようとした。

 前半10分にはゲラにドリブルで中央突破を許し、日本の左サイドに展開されると、闘莉王が裏を取られ、クロスを上げられた。中央でFWフェルナンド・アリスティギエタにヘディングシュートを許したが、GK楢崎の正面に飛び、難を逃れた。

 最初のチャンスを相手につくられた日本だが、前半16分、高い位置に上がっていた遠藤から中村、小笠原と細かくパスをつなぎ、最後は小笠原が右足で強烈なミドルシュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、同19分にも中村が左足ミドルを放つなど徐々にシュートチャンスをつくった。

 前半20分過ぎには再び小笠原と中村が位置を入れ替え、小笠原が右サイドへ。その小笠原は30分、ショートコーナーから大久保の右クロスに飛び込むなど気合いの入ったプレーを見せる。同33分には絶妙のスルーパスを通し、岡崎が抜け出したが、シュートはGKに弾かれた。

 結局、前半は0-0のまま終了。決定機と言えるのは前半33分の岡崎のシュートぐらいで、なかなか相手を崩し切るところまでは至らない45分間だった。

 後半に入っても、なかなかペースが上がらない。3分に大久保、5分に小笠原がミドルシュートを狙うが、攻撃は単発。12分には闘莉王のフィードを受けた徳永の背後から中澤がオーバーラップし、クロスを上げたが、そのままゴールラインを割ってしまい、場内には大きなため息が響いた。

 岡田武史監督は後半14分に動いた。徳永と中村を下げ、DF駒野友一とFW平山相太を投入。大久保が中盤の左に下がり、前線は岡崎と平山の組み合わせに変わった。

 前線に構える長身FWの投入で、攻撃に高さと厚みが加わった。後半19分には大久保の左クロスから平山がヘディングシュート。同27分にも長友との関係で大久保が左サイドからチャンスをつくるが、クロスに合わせた岡崎のヘディングはゴール上に外れた。

 後半30分には岡崎と小笠原がベンチに下がり、FW佐藤寿人、MF金崎夢生がピッチへ。同37分には駒野の右クロスから佐藤がヘディングシュートを放ち、交代選手でチャンスをつくるもゴールは割れず。同40分、大久保に代わってMF香川真司を投入したが、最後までゴールが遠く、0-0のスコアレスドローに終わった。

<写真>日本代表FW平山
(取材・文 西山紘平)

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