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小笠原が生き残る道は?1321日ぶり復帰戦は消化不良に

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[2.2 キリンチャレンジ杯 日本0-0ベネズエラ 九石ド]

 1321日ぶりとなる代表戦を終えたMF小笠原満男(鹿島)は複雑な表情を浮かべていた。06年6月22日のドイツW杯・ブラジル戦以来となる青のユニフォーム。代表復帰の喜びも、個人の出来、引き分けというチームの結果の前にかき消されてしまった。

 「勝ちたかったです。悔しい。単純なミスが多くて、ボールを取られていたし。最初の試合だから? そんな言い訳は通用しない」

 右MFで先発すると、MF中村憲剛とたびたび左右のポジションを変えた。中央に入ってボールを呼び込み、起点となりながらショートパスをつないだが、決定機をつくるまでには至らず。「もっとサイドバックを含めたサイドからの攻撃がやれればよかった」と振り返った通り、中央の狭いスペースでパスを回すシーンが多かったのも確かだろう。

 岡田武史監督は小笠原について「前半にも決定的なラストパス、シュートがあって、満足の出来」と評価したものの「どうしても中でプレーするタイプで、両サイドが中でプレーするタイプだと、攻撃がつまってしまう。中でプレーするタイプが多くて、1、2回かわせても、次でつぶされる場面が多かった」と言及した。

 MF中村俊輔の場合、右サイドに開いてボールを受けてサイドで起点になるが、小笠原も憲剛も中央に流れながら足元でボールを受けることが多い。ただ、2人はもともとボランチで、特に小笠原はクラブでもボランチとしてプレーしている。その選手をサイドに置いたのは岡田監督の判断であり、試合後の「組み合わせは考えないといけない」という発言には首を傾げざるを得ない。

 報道陣から「ベネズエラのプレッシャーが早かったのも影響があった?」と指摘された小笠原は「こんなもんじゃないでしょ、もっと強い国は。だったらもっとシンプルに回せばいい。このレベルでできないんじゃどうしようもない」と力説。不満げな表情を隠さなかった。

 小笠原をボランチで起用する手もあるが、ボランチはMF遠藤保仁、MF長谷部誠、MF稲本潤一ですでに埋まった感もある。後半途中からのように憲剛ではなく、FW大久保嘉人を左サイドに置くか、それともやはり小笠原ではなく、俊輔に頼るのか。スコアレスドローに終わったベネズエラ戦が、W杯に向けた分岐点となるかもしれない。

<写真>日本代表MF小笠原
(取材・文 西山紘平)

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