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【連載】南アフリカへのサバイバル(9)DF徳永悠平(F東京)

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 フィジカルだけじゃない、攻撃も-。守備力がクローズアップされるDF徳永悠平(F東京)だが、日本代表の生き残りをかけ、攻撃でも貢献できるよう“バージョンアップ”を目指している。8日の練習でも、岡崎や大久保のFW陣に交じり、居残りでシュート練習。「キックの練習にもなりますから。シュートのようなクロスも効果的ですし」と約15分間ほどだったが、感触を確かめた。

 あらためて年下のライバルに刺激を受けた。2日のベネズエラ戦では右SBで先発をつかんだが、攻撃的MFの小笠原との連携が合わず、思うようなプレーができないまま途中交代となった。続く中国戦はベンチで、昨年までレギュラーだったDF内田篤人(鹿島)が先発。ややクロスが単調だったが、積極果敢な攻撃参加で右サイドの攻撃を活性化させた。

 外で見ていた徳永は「攻撃の形が作れて、チャンスもあった。自分もそうできるように、コミュニケーションを深めていきたい」と危機感を口にした。自分も攻撃で力を発揮できる、いや、しないといけない-。強い決意のもと、もう一度基本に立ち返り、キックの精度向上に努める構えだ。

 離れていた世界舞台へ。ようやく得られた挑戦権を逃すわけにはいかない。2004年のアテネ五輪には早大生ながらレギュラーとして出場。しかし、その後は日の丸から遠ざかっていた。どこかさみしい、物足りない日々が続いた。

 昨年9月のオランダ遠征でフィジカルの重要性を痛感した岡田監督は、10月の3連戦で、身体能力が高い徳永を招集した。2日のベネズエラ戦でも先発したように、速くて強いFW&サイドアタッカーへの対抗策として期待が高まっている。だが、まだ代表での日が浅く、連携面は内田に一日の長がある。そこを早く埋めたい。

 自分の特徴を発揮するのはもちろんだが、生き残りへ向けて守備だけで勝負するつもりはない。「攻撃でも貢献したい。もっと自分の動きを分かってもらって、連携を深めたい。周りにうまく使ってもらえるように、もっとコミュニケーションを取りたい」。そもそもアテネ五輪に選ばれた早大時代は、一人で攻撃も守備もする“スーパーマン”だった。

 F東京入り後、少し“落ち着いた感”はあるが、持っている才能はピカイチ。かみ合えば、代表でも攻撃力を発揮できるはず。本人も話していたが、今後は、口数の少ない九州男児の殻を完全に破り、積極的に自身を“プレゼンテーション”するつもりだ。

 「(W杯出場の)チャンスはあると思っているんで、今まで以上に、しっかりと頑張りたい。まずは守備からしっかりとプレーするけど、クロスで点に絡めるようにしたい」と徳永。“未完の大器”は果たして、メンバー発表までの残り約3カ月で“真の覚醒”を見せるのか。徳永自身が、自らの可能性に挑む。
 
<写真>アテネ以来の世界舞台へ。徳永は攻撃でもチームへ貢献して生き残りを目指す

(取材・文 近藤安弘)

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第8回駒野友一(磐田)
第7回岩政大樹(鹿島)
第6回阿部勇樹(浦和)
第5回平山相太(F東京)
第4回石川直宏(F東京)
第3回佐藤寿人(広島)
第2回金崎夢生(名古屋)
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※この連載では南アフリカW杯での登録メンバー23人入りを目指すボーダーライン上の選手をピックアップしていきます

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