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平山がブレ球ミドルにループ弾と大暴れ。「バッチリっす」

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[2.9 練習試合 日本代表10-0中央大]

 怪物が暴れ始めた。FW平山相太(F東京)が高い決定力で先発アピールだ。控え組中心のメンバーで臨んだ3本目と4本目の計50分間にフル出場。大学生相手とはいえ、4ゴールと気を吐いた。

 「自分で行くぞ、という気持ちを持ってプレーしました。きょうはゴール前で冷静にできたと思う。きょうくらい冷静にプレーできれば(本番でも)点が取れると思います」

 平山が“本性”を出し始めた。前日、「もっと自分で行くぞ、というのを出したい。そのほうがパスも効果的になると思う」などと、より一層の積極姿勢を出すことを宣言していたが、この日の中大戦でさっそく実行した。

 いきなり、豪快なミドルシュートを決めた。先発した3本目の9分、ゴール正面約25mの位置で、思い切り右足を振り抜いた。低く鋭く、ややブレ球になったボールは真ん中をついたが、GK西川周作(広島)の手をはじいてゴールイン。「無回転はたまたまです。思い切り蹴っただけです」とまさに積極性が生んだゴールだった。

 このゴールに気を良くした怪物は、3本目の26分には右サイドを崩した金崎夢生(名古屋)の横パスを受け、自身2得点目を決めた。4本目にも先発し、11分に金崎の横パスから再びゴールを決めると、圧巻は4得点目だ。12分にペナルティエリア内でパスを受けると、少し前に出ていたGK西川の位置を見てループシュート。「バッチリっす。狙った? はい。流れ的にループかなと思った」としてやったりだった。

 日本代表の合宿スタートから約2週間が過ぎ、途中出場ながら2試合をこなした。もともと人見知りの激しい男で、環境に慣れるのに時間がかかるタイプだが、岡田監督のサッカーやチームメート、また練習内容など環境に慣れてきたことで、思い切りの良さが出てきた。さらに“殻”を破れれば、ますます戦力として機能しそうな気配だ。

 主力組が総力で奪った4得点を一人でたたき出した怪物。それでも「いいアピールになったかは分からない。一日一日を集中して、アピールしていきたい」とに浮かれた様子はまったくない。11日の香港戦(国立)で先発するかどうかはまだ不明だが、心技体ともに準備はできている。

 東アジア選手権は残り2試合。すなわち、代表生き残りへ平山に与えられた時間もひとまず2試合だろう。「チーム全体でゴールを奪いたいです」。この日の4ゴールをステップに、香港戦の出場、そしてゴールを目指す。

(取材・文 近藤安弘)

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