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これが現実…日本は韓国に1-3完敗で史上最低の3位終戦

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[2.14 東アジア選手権 日本1-3韓国 国立]

 4万2951人の大観衆がブーイングを浴びせた。日本代表は14日、国立競技場で韓国代表と対戦。初優勝のためには2点差以上での勝利が必要だった一戦は、前半23分にMF遠藤保仁のPKで先制したが、同33、39分に連続失点するなど1-3で逆転負けした。前半41分にはDF田中マルクス闘莉王が一発退場。後半7分には韓国のMFキム・ジョンウも退場となり、数的同数となったが、同25分に3失点目を許し、完敗を喫した。

 日本は現時点でのベストメンバーで臨んだ。システムは4-4-2で、GK楢崎正剛、4バックは右から内田篤人、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、長友佑都。中盤は稲本潤一と遠藤保仁のダブルボランチで、右に中村憲剛、左に大久保嘉人が入り、岡崎慎司と玉田圭司が2トップを組んだ。

 互いの意地と意地がぶつかる日韓戦は、序盤は様子見のような展開に。両チームともにプレッシャーが早いこともあり、ビルドアップでロングボールが目立つなど中盤でタメをつくれなかった。

 日本は前半22分、遠藤のFKからゴール前で闘莉王がDFカン・ミンスに倒され、PKを獲得。これを遠藤がコロコロPKではなく、右足でゴール左上に豪快に叩き込み、先制に成功した。

 前半26分には大久保がひざを痛めてMF香川真司に交代するアクシデント。香川がそのまま左MFに入った。

 前半32分、今度は内田がペナルティーエリア内でMFキム・ボギョンを倒し、韓国にPKを与えてしまう。FWイ・ドングッがこれを落ち着いて決め、1-1の同点に。互いに初シュートがPKでのゴールとなり、試合は振り出しに戻った。

 韓国は前半39分、バイタルエリアでFWイ・スンヨルがフリーでパスを受けると、遠めから思い切りよくロングシュート。これが中澤の体に当たり、絶妙な軌道を描いて楢崎の頭上を越え、ゴールマウスに吸い込まれた。

 7分間で逆転を許した日本にさらにアクシデントが襲う。前半41分、遠藤のFKをGKイ・ウンジェがキャッチすると、ゴール前で闘莉王とカン・ミンスが交錯。この場面で闘莉王にレッドカードが提示され、一発退場となった。

 数的不利となり、守備の中心選手を欠いた日本は急きょ稲本がセンターバックに下がって対応。韓国が一気に攻勢に出たが、なんとかしのぎ、前半は1-2で折り返した。

 日本はハーフタイムに香川に代えてDF岩政大樹を投入。センターバックは中澤と岩政で、稲本が1ボランチ、前に遠藤と中村が位置する4-1-2-2のような形になった。

 しかし、練習でもほとんど組んでいないセンターバックコンビはいきなりピンチを迎える。後半開始20秒、スルーパスを最終ラインの裏に通され、イ・ドングッが抜け出し、左足でシュート。決定的な形だったが、シュートはクロスバーに当たった。

 韓国は後半7分、MFキム・ジョンウが2枚目の警告を受け、退場。10人対10人となった。これで勢いに乗ったのは日本。後半10分、中村のパスを受けた遠藤がミドルシュートを狙うと、同13分には内田が遠藤とのワンツーで右サイドをえぐった。クロスはわずかに合わなかったが、徐々に韓国を押し込んだ。

 しかし、1点リードの韓国も人数をかけて守りを厚くした。ゴール前で厳しく寄せられる日本はなかなか局面を打開できない。徐々に手詰まり感が出てくると、後半25分、決定的な3点目を許した。

 パス2本で完全に守備組織を崩され、最後はMFキム・ジェソンが右足で鮮やかなシュートをゴール右上に流し込んだ。この場面、最終ラインは完全にバラバラになっていた。

 日本は後半37分に玉田に代えてFW佐藤寿人を投入し、最後のカードを切るが、そのまま試合終了。1-3の完敗で、日本は1勝1分1敗の3位で大会を終えた。4大会目にして3位は初となる最低成績。攻撃面に不安を残しただけでなく、センターバックのバックアップという常に指摘され続けていた問題も露呈。チームづくり、チームマネジメントに問題があることは白日の下にさらされた。

(取材・文 西山紘平)

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