beacon

日本vs韓国 試合後の選手コメント

このエントリーをはてなブックマークに追加
[2.14 東アジア選手権 日本1-3韓国 国立]

 日本代表は14日、国立競技場で韓国代表と対戦。前半23分にMF遠藤保仁のPKで先制したが、同33、39分に連続失点するなど1-3で逆転負けした。前半41分にはDF田中マルクス闘莉王が一発退場。後半7分には韓国のMFキム・ジョンウも退場となり、数的同数となったが、同25分に3失点目を許し、完敗を喫した。
以下、試合後の選手コメント

●FW玉田圭司(名古屋)
「10人対11人になってからボールも人も動いていた。退場してからよくなったところもある。ボールは回っていたと思うけど、相手の前でやっていた。自分たちが普通というか、ひねりもそこまでなかった。遊び心が少ないし、ここに人がいるからそこに出すだけで。自分たちで“これ”っていうのものを持たないと。3試合を通して、日本はこういうサッカーだっていうのがなかった」
―岡崎とのコンビは?
「頑張ってキープしても周りに人がいない場面もあった。2人で崩すとかがあれば、もっといいコンビになるし、チャンスも増えると思う」
―審判の判定に影響された?
「それはない。公平、不公平というのは微々たるもの。審判のせいにするのは簡単だけど、それは言い訳にできない」

●FW岡崎慎司(清水)
「守備でハッキリさせる必要があった。クリアならクリアで。迷って取られて、嫌な攻撃をされることが多かった。シュートを決められなかったのが悔しい。向こうのゴールは運もあったと思うけど、打つ意識があるから入ったと思う。FWなので点を取らないといけない。チャンスはつくれていたし、あとはゴール。FWの責任というのは3試合を通して感じた。パスを回すだけでなく、FWならターンしてシュートを打つとか、そういうことも必要。ゴール前のアイデアはビデオを見て考えたい。ただ、アイデアは考えて出るものでもないし、練習の中で出てくるもの。感覚が研ぎ澄まされるまでシュート練習をやろうと思っている。ここで取れないようではW杯でも取れない」

●FW佐藤寿人(広島)
―途中出場の際の指示は?
「2点リードされていて、残り10分だったので役割はシンプルだった。相手が引いているけど、何とか打開してとにかくゴールを取れと言われた。ただ、あれだけ相手が引いていては、なかなか難しかった」
―どうすれば点が取れたと思う?
「引いたときにバイタルエリアをうまく使えていればもっと違ったかもしれない。そこでもっと仕掛ける形にしないと。サイド突破はあったけど、フィニッシュにいけなかった。ホームで勝てなかったので、ブーイングは受け止めないといけない」
―もっと出たかったのでは?
「正直、そうですね。出たかったですね。もっと信頼を得ないといけないと思う。2点リードされていて残り10分まで声がかからなかったのは悔しいし、信頼されていない証拠。信頼を得るためにもチームに戻って、常にゴールを意識したプレーを心掛けていきたい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―先制点を取って主導権は握っていた?
「先制点までも支配していたし、そのあとも支配していた。決められた2本以外は安定していた。前半のうちに同点で終わりたかったけど、闘莉王が退場して、前半はあれ以上やられないようにした。プレスに行ったら相手が蹴ってくるというのは用意していた。前半はやられている感じはなかった。2点目はちょっとアンラッキーなところもあったけど、最低1-1で終わりたかった。外からいいチャンスをつくれていた。特に(内田)篤人のサイドからは。前半からボールは回せていたし、慌てず攻めようと思っていた。ミスはあったけど、サイドを使いながらというのは意識してやれていた。その精度を上げていきたい」
―課題は?
「最後の精度ですね。やり方を変える必要はないと思うので。PA付近でボールを持った人がミスをしないようにするとか、(PA付近でボールを持ったら)周りが反応することが大事になる。縦だけでなく、サイドもうまく使ってチャンスをつくる。あと、最後のところ。決めるところを決められるようにしないといけない」

●MF稲本潤一(川崎F)
「退場者が両方に出てからおかしくなった。決定力の差が出たと思う。向こうもそんなにチャンスがあったわけじゃないけど、バーに当たったのと3点。決定力が差をすごい分けた。シュートの意識とか、強引にいくところも必要だった。回すだけじゃなくて、1対2でも仕掛けるとか。そういうところで課題が出た」
―試合後はブーイングだったが?
「結果があれだから。ホームで結果が出なければ、受け止める必要がある。これがW杯直前じゃなくてよかったと思えるように次につなげたい」
―韓国はロングボールが多かったが?
「(W杯で対戦する)オランダやデンマークもそう来るかもしれない。プレスをかけてロングボールを蹴られて、中盤が間延びするところもあった。対処を上手くやる必要はある。そういうことは考えさせられた」
―韓国の選手が以前より日本との差が開いたと話していたが?
「それは勝ったから言っているのでしょう。韓国のあのサッカーがW杯で通用するのかというと、それは難しいと思う。ただ、フィジカルでは、日本にないものはあると感じた」
―決定力の違いは?
「向こうの方が、強引な突破のところから、というのはあるかもしれない。日本がちょっと正直になっているというのもある」

●DF中澤佑二(横浜FM)
「ものすごく悔しい。3点目は別にしても、1、2点目は特別崩されたわけではないから余計に悔しい。その2点でリズムを崩して、流れを変えられないまま時間だけが経った。相手はロングボールを蹴ってくるので、そこはしっかり跳ね返せていた。PKを取られた場面は自分たちのつなぎからのミス。つなぐことも大事だけど、足元で受けるだけじゃなくて、プレッシャーがあったらスペースに出ていくことも重要だし、苦しかったら蹴ってもいいというのはある。1点を争うゲームではああいうパスカットから失点して、W杯では負けることもある。恐れるわけではないけど、ここで取られたらまずいなという判断を全員が瞬時にできるようにしないといけない」
―内田がPKを取られた場面は?
「切り返されても2人いたし、僕も追いつける距離にいた。ボールを見ないといけない。3点目は逆に飛び込めなくて、やられた。いつ飛び込んで、いつステイするのか。危険察知能力というか、そういうところはいい勉強になったと思う」
―闘莉王が退場した場面は?
「レフェリーはもう走っていたし、もめているのを見てないのに。怪しいレフェリーだった」
―10人になってからの対応は?
「Jリーグとかで経験している人たち、そういう状況に慣れている人はすぐに頭を切り替えていた。ヤット(遠藤)とかイナ(稲本)とか。残りの人はどうやって10人でボールを追い込むのか、どうやって攻めるのか、瞬時の判断が必要。ボールに行くのか、待つのか、指示を待つと遅れる。1人少ないと、一瞬の判断の遅れで裏を取られる。それを含めていい経験になった」
―W杯4ヵ月前だが?
「こういう結果が早めに出てよかった。直前でバタバタするよりはいい。もう一度振り返って。失敗はなんとやらと言うし。今日はへこむけど」

●DF岩政大樹(鹿島)
「個人的にはできた部分はあった。まあ、すべてが突然だったけど、思ったより、いい準備ができた状態で入れたと思う。とは言ってもいろんな面で、難しい試合だったと思います」
―3失点目はDFラインを割られた。
「(試合後)何人かと話をしたけど、いくつもやられた理由はあると思いますね。2列目から飛び出してきた相手についていけなかったのもあるし、オフサイドだと思って止まったら、佑都(左SBの長友)が残っていた。ある程度攻めに行っているとき、2列目からの飛び出しに全部ついて行くとラインが下がってしまう。そこをどうしていくか、コミュニケーションが大事ですね。試合勘が足りないところはあった」
―CBのコンビネーションは?
「(中澤)佑二さんとのコンビネーション自体は悪くなかったと感じられた。佑二さんが気を使ってくれた部分もあると思います」
―連携面などはどうだった?
「正直、(レギュラーとやるのは)初めて。そういう面で、僕の理解度が低い部分はある。僕の力の問題があるかもしれない。まだまだこのチームでやることが整理しきれていないというのはある。それができれば、このチームでもやっていけると思う。練習で精一杯、やっているつもりでしたけど。足りないところはあったと思いますね。悪いとは思いませんけど、もうちょっと詰め切れていないとこはある」

●DF内田篤人(鹿島)
「PKは、相手がうまかったなと感じた。突っ込んできて、倒れて。ああいうのも技術かと思う」
―ビデオでは足がかかっていたように見えたが?
「そうでしたか。突っ込んできた印象だったのだけど」
―1-1になったときはどう思ってプレーしていたのか?
「まだ同点だったし、変に攻めたり、変に守ったりしないようにと思った」
―10対11人の時間帯は?
「10人で受けて立ったら逆に難しくなるので、前へ行こうと心がけた。その後、10人対10人になったけど、1人少ない時間帯のほうが、リズムよく攻められていたかなと思う」
―久々に満員だった。
「やはり、勝ちたかったです。ただ、僕らは結果を出し、いいプレーをしていくだけ。それがプロだと思う」

●DF長友佑都(F東京)
「悔しいです。入りは悪くなかったけど、いろいろなハプニングがあったりして、もう少しうまく対応できれば良かったのだけど」
―韓国の監督が日本の両サイドバックからのクサビのパスを入れさせないようにしたと話していたが?
「そうですね、そこは感じました」
―最終ラインが試合中に変わることもありえる。
「そうですね、W杯でもこれはありえる。もっと対応していけるようにしたい。今日も最終ラインではたくさん話をしていた」
―残り4ヵ月だが。
「自分たちがやるべきことを信じて、ブレないようにやっていきたい」

●GK楢崎正剛(名古屋)
「点を取られたことがすべて。ホームで3失点は言い訳は何もできない」
―PKを取られてしまった。
「PKはまあ、相手からもらっていて、こっちも気をつけないといけなかった。こういうときは、ちょっとしたことで取られる。帳尻を合わせる審判はいるんで。(日本のは)そんな大したファールではない。PKを取るようなものではなかったけど、やったのは事実ですから」
―ミドルシュートで奪われた2点目はマークにつけていなかった?
「あの場面だけを見れば、マークに付いていなかったといえば、付けていなかった。あそこから打ってくるのは考えられたことで、ちょっとのスキを見せてはいけないということだと思う。W杯では一発で仕留めてくる選手が前の方にいる。韓国にやられているようではダメ」
―日本はW杯4強を目指しているのに、アジアで3位だったが。
「だめでしょうね。僕らは、これでやり方を変えて戦うのがいいというわけではない。自分たちを信じてやるしかない。サポーターには心配かけたと思う。自分たちも信頼を欠いたと思うけど、ただ(チームが)揺らぐようなことじゃない。本来はそうなるのかもしれないけど、(揺らがないよう)気をつけないといけないと思う」
―勝つにはどうすればよかった?
「自分たちの時間帯で、しっかりとスコアをあげることでしょう。(先制したのに)試合を決め切れなかった。守りでは相手の時間帯でもしっかり止めないといけない」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

▼関連リンク
東アジア選手権特設ページ

TOP