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A代表メンバー発表、岡田監督会見要旨

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 日本サッカー協会は25日、3月3日のアジア杯予選・バーレーン戦(豊田ス)に臨む日本代表メンバー20人を発表。MF中村俊輔(エスパニョール)、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)ら海外組5人が招集されたほか、FW興梠慎三(鹿島)も復帰した。
以下、岡田監督の記者会見要旨

岡田武史監督
「アジア杯予選最終戦という公式戦で登録は18人だが、海外組は来てみないとコンディションが分からない。前々日夜に到着する選手もいるので、プラス2人の20人を招集した。今回の試合に勝つためのメンバー。海外組は(W杯前に)ここでしか呼べないということで、今まで呼んだ海外組は全員呼んだ。外れている選手にも4月7日のセルビア戦ではチャンスを与えたいと思っているし、W杯につながるメンバー。東アジア選手権であまりいい試合ができなかったということで、チームとしてここでいい形でベースアップする試合をしたい」

―海外組5人の現在の状況をどう把握しているか?
「長谷部はここ2試合出ていないが、コンディションは問題ないと聞いている。俊輔もあまり試合には出ていないが、紅白戦などをしていて問題ないと本人が言っている。本田は昨日も試合を見て、フル出場ではなかったが、1試合近くこなして、コンディションはまったく問題ない。見ていても、コンディションが悪いとは思わない。森本はここ2試合見た。交代で出て得点して、次は先発で、体はキレているなと。運動量も以前より増えていると思った。松井はずっとスタメンで出ていて、チームは結果が出ていないが、松井のプレーは安定しているし、コンディションは問題ないと思っている」

―東アジア選手権から小笠原が外れ、平山が残った。また興梠が復帰したが?
「小笠原については今回は海外組に攻撃的MFが多いということで海外組優先と考えた。平山は彼の可能性はまだ十分にあるだろう、伸びしろがあろうだろうと思っている。点を取るところで、もし彼がいれば相手の脅威になる。興梠に関しては本人にも伝えているが、ずば抜けたスピードと突破力は、他の選手にはない素晴らしい特徴。メンバーから外したりもしているが、期待はずっと持っている。彼のもう一段の成長をいつも期待している」

―韓国戦のプレーが悪かった岩政が外れたが、本番までにセンターバックの新たなテストはしないのか?
「4月にはそういうことも考えている。前でも後ろでも試すことはある。岩政が悪かったと言ったが、試合勘やチームへの慣れとかいろいろあると思っている。4月には今まで呼んでいたメンバーも含めて呼ぶ。今回は18人の枠があった。練習もほとんどできないし、呼んでもスタンドになるなら、登録に近いメンバーに絞ろうと思った」

―4月のセルビア戦では何人招集するのか?5月のメンバー発表後、23人プラスアルファの選手を呼ぶ可能性は?
「4月は増えると言っても、6人交代の試合になると思うので、22、23人を考えている。5月になったらメンバー発表を済ませているので、23人ぴったしで(5月24日の)韓国戦に臨む。それ以外に関しては技術委員会と話しているが、FIFAに認められるなら、若くて可能性のある選手を何人か帯同させて、練習に参加できるなら、そういうことも考えようかと技術委員会と話している」

―東アジア選手権からどこを修正するのか?
「修正と言うが、東アジア選手権とはまったく違う形になると思っている。やろうとしていることは大きく変わらないが、国内組ではそういうタイプがいなかったというか、中に寄りすぎてカウンターを受けたり、守備でも今までできていたのにやれていないところもあった。大事なのはラスト3分の1でゴールに向かっていくこと。ゴールに向かっている選手にボールが出るようなイメージでできれば」

―憲剛と大久保の復帰の見通しは?
「憲剛については非常に残念なニュースだった。手術をして2週間は入院が必要で、その後の2週間も安静にする必要があると聞いている。4週間たってから徐々に練習を開始するはずで、4月(7日のセルビア戦)も難しい可能性がある。ただ、彼は経験があるので、コンディションが整えば、本番には間に合うと思う。大久保はひざの内側(靭帯)を伸ばして、当初思っていたよりも悪くて、6週間ぐらいかかるのではないかと聞いている」

―東アジア選手権で出場機会のなかった阿部が招集されているのは?
「(阿部)勇樹は1月に集まった時点で他の選手よりコンディションが遅れていた。途中からよくなったが、他のバリエーションを試したいということもあり、チャンスがなかったが、いろんなポジションの穴を埋められるユーティリティーさがある。海外組のコンディションが悪ければ、彼が必要になることもある。ACL組も連戦で、彼らのコンディションが整わなければ、彼が必要になると思って入れている」

―ロシアに移籍した本田についてはどう思っている?
「彼はスタッフには“俺はこんなもんではおさまらない。成り上がってやる”と話しているそうで、彼らしいなと。チャレンジ精神は素晴らしいし、選手にとって今年のW杯が終点ではない。そうやってチャレンジすることは素晴らしいし、彼ならもっともっとやっちゃんじゃないかなと思う」

―W杯のレギュレーションの話が出たが、ケガ人が出た場合の変更は可能なのか?
「ケガ人が出たときの交代は可能だと思う。どこから呼んでもいいが、交代できる可能性のある若手と考えている。オフでどこかに行っている可能性もあるし、そういうことは避けたいが、その選手を帯同させられるかどうかはまだ連絡を受けていない。98年のフランスW杯のときは、(登録外の選手が)一緒の宿舎に泊まることも練習参加もダメだった。国によってはGKを2人にするところもあったが、欧州の国であれば、(ケガ人が出ても)すぐに呼べるが、日本の場合はそうもいかないので、あえてGKを3人にした」

―なぜ「若手」なのか?
「今回はメンバーに入る可能性が低くても、将来日本代表に入るような選手に(W杯の雰囲気を)経験させるのもプラスだし、(W杯前の強化試合の)イングランド戦、コートジボワール戦で使える選手の人数にも限りがある。他の選手は練習試合を組めない可能性があるし、そういうときにそういう(若手)選手を紅白戦などで使えればと考えている」

―東アジア選手権ではW杯につなげる試合か、目の前の試合に勝つのか、アプローチの失敗があったと話していたが、今回は?
「我々は当然、この試合に勝つことと同時にW杯を見つめないといけない。ただ、選手には目の前の試合に全力を尽くしてもらう。そういうスタンスで行く。短い練習期間だから、逆に試合に集中させやすいんじゃないかなと思っている」

―現時点でW杯の23人は決まってきているのか、それとも横一線なのか?
「まったくの白紙ということはない。ある程度は固まってきている。ただ、東アジア選手権をやって、新しい可能性も求めないといけないなと感じた。あまり固めてもいけないなと」

―本田はクラブではFWに近い位置でプレーしている。代表では俊輔と併用することがなかったが、どういう形で起用するのか?
「3月3日に見ていただければ分かる。3月3日のスタメンは頭の中で決まっている。練習時間が短く、紅白戦を見ていられないから。俊輔と2人を同時に使っていないと言うが、2人を一緒に使っていることもある。多くはないが、ある。当然、コンディションが整えば、そういう(2人が先発する)可能性もある。本田は(VVV)フェンロのときよりアグレッシブになっているなと昨日見ても思った。非常に期待している」

(取材・文 西山紘平)

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