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“高校年代のオールスター戦”U-18J選抜、高校選抜譲らずドロー

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[2.27 フレンドリーマッチ U-18J選抜 1-1 日本高校選抜 国立]

 高校年代の“オールスター戦”は互いに譲らずドロー――。高校1、2年生で結成されたU-18Jリーグ選抜と第88回全国高校サッカー選手権の大会優秀選手から選抜された日本高校選抜が27日、東京・国立競技場でフレンドリーマッチを行った。試合は前半24分にU-18J選抜がDF松原健(大分)のゴールで先制したが、高校選抜は後半6分にFW山本大貴(ルーテル学院)が同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。

 初の試みとしてゼロックススーパーカップ2010、鹿島対G大阪の前座試合として行われた一戦。U-18J選抜、高校選抜ともに4-4-2システムで、U-18J選抜の先発はGKが渡辺泰広(新潟)で4バックは右から松原、高野光司(東京V)、松藤正伸(F東京)、廣木雄磨(F東京)。中盤は夛田凌輔(C大阪)と大森晃太郎(G大阪)をダブルボランチに右が堀米勇輝(甲府)、左が高木善朗(東京V)。2トップは原口拓人(G大阪)と杉本健勇(C大阪)のコンビだった。高木、堀米らメンバーの半数以上が昨年のU-17W杯日本代表メンバーとなった。

 一方の高校選抜は第88回全国高校サッカー選手権優勝の山梨学院からMF碓井鉄平主将ら、準優勝の青森山田からも柴崎岳らそれぞれ3選手が先発した。構成はGKが櫛引政敏(青森山田)で4バックは右から平塚拓真(山梨学院)、中田寛人(山梨学院)、須藤貴郁(矢板中央)、中島龍基(青森山田)。中盤は碓井と柴崎を中央に右が柳直人(作陽)で左が宮市亮(中京大中京)。2トップは赤崎秀平(佐賀東)と黄順旻(神村学園)が先発した。

 立ち上がり、高校選抜の中島がマークを外して左サイドをえぐる場面があったが、その後はポジショニングとバランスの良さでU-18J選抜が試合をリードする。左足から好パスを繰り出す堀米と豊富な運動量でボールに絡む夛田を中心に相手ゴールへと迫った。9分には左サイドでボールを受けた高木が自ら仕掛けて左足シュート。11分には右サイドを突いた原口の折り返しを夛田が右足シュートへと持ち込み、14分にも左サイドを抜け出した杉本のラストパスのこぼれ球から堀米が決定的な左足シュートを放った。
 
 一方の高校選抜も碓井と柴崎が相手のプレッシャーをかいくぐり、ボールを前へと進め出す。そして赤崎の力強い突破で何とか相手の守備網をこじ開けようとする。だが先制したのはU-18J選抜だった。24分、左CKの場面で高木の機転の利いた動き出しにより、堀米がショートコーナーを選択。ニアサイドでボールを受けた高木がすぐさま中央へパスを送ると、マークを外して中央に入った松原が左足ダイレクトでゴールへとねじ込んだ。

 先制された高校選抜は後半、MF小島秀仁(前橋育英)とFW山本大貴(ルーテル学院)を投入。ここからチームは流れを徐々に変えていった。3分には柴崎のパスを受けた宮市がドリブルから右足シュート。5分にはスルーパスで右サイドを抜け出した赤崎が決定的な右足シュートを放つ。そして直後の6分、柴崎の右CKを中央の山本が打点の高いヘディングシュート。これがゴール中央を射抜き、高校選抜が同点に追いついた。

 この直後、U-18J選抜はFW小野裕二(横浜FM)をピッチへ送りだし、13分にはMF相馬大士(柏)を投入。流れを変えにいくが球際の厳しさで上回る高校選抜は、14分に山本とのワンツーから右サイドを突いた赤崎が絶妙な切り返しから左足を振り抜く。17分にも左サイドの宮市からの折り返しを小島が左足シュート。対するU-18J選抜は20分に左サイドの廣木から送られたクロスをファーサイドの小野が頭で撃ち抜くも、高校選抜GK櫛引のビッグセーブに阻まれた。

 両チームの守備陣ともにミスがなく、締まった試合に。互いに差をつけることができなかった。U-18J選抜は選手交代により、GK田尻健(G大阪)、FW高原幹(名古屋)、FW久保裕也(京都)とベンチに入っていた全選手が出場。高校選抜はFW大西晃広(香川西)、GK原田直樹(広島観音)、DF小谷祐喜(関大一)、MF三田尚希(青森山田)を次々とピッチに送り出したが、得点は動かず。ロスタイムにU-18J選抜は夛田の右足FKのこぼれ球を松原が押し込んだが無情にもオフサイドの判定。このまま“高校年代のオールスター戦”は1-1で終了となった。

(取材・文 吉田太郎)

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