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まず1冠!鹿島がPK戦でG大阪との激闘を制す

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[2.27 富士ゼロックススーパー杯 鹿島1-1(PK5-3)G大阪 国立]

 2010年シーズンの幕開けとなる富士ゼロックススーパー杯が27日、国立競技場で行われ、Jリーグ王者鹿島アントラーズと天皇杯優勝のガンバ大阪が激突した。鹿島は前半20分にFWマルキーニョスのPKで先制したが、G大阪も前半ロスタイムにDF加地亮のミドルシュートで追いついた。1-1のまま90分間を終え、勝負の行方はPK戦へ。G大阪はMF遠藤保仁がまさかの失敗。PK5-3で鹿島が制し、2年連続5度目の優勝を飾った。

 鹿島は23日のACL長春亜泰戦が出場停止だったMF小笠原満男が先発に入り、それ以外は長春戦と同じメンバー。4-4-2のシステムで、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、イ・ジョンス、新井場徹と並んだ。中盤は小笠原と中田浩二のダブルボランチ、右に野沢拓也、左にフェリペ・ガブリエル。2トップはマルキーニョスと興梠慎三だった。
 G大阪は24日のACL水原三星戦で腰を打撲したMF明神智和が欠場、同じくDF中澤聡太もベンチスタートとなった。GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、菅沼駿哉、高木和道、安田理大。中盤は橋本英郎と遠藤保仁のダブルボランチ、右にルーカス、左に二川孝広が入り、平井将生とチョ・ジェジンが2トップを組んだ。

 試合は立ち上がりから激しい攻防となった。開始わずか20秒、G大阪はルーカスがドリブルで切れ込み、右足でシュート。これはゴール左にそれたが、4分にもチャンスをつくる。ルーカス、二川と細かくつなぎ、最後はゴール前の平井にボールが渡ったが、シュートはDFのブロックに阻まれた。

 鹿島も負けていない。前半8分、PA内に進入した興梠の左クロスはわずかにマルキーニョスに合わなかったが、同15分、今度はマルキーニョスの右クロスに興梠が飛び込む。体を投げ出しながら左足で合わせたが、わずかにゴール右に外れた。

 両チームの持ち味が出た好ゲームが展開されていたが、先制点は意外な形から生まれた。前半19分、PA内で菅沼がイ・ジョンスを手で抑えたとして西村雄一主審はホールディングの反則を取り、鹿島にPKが与えられた。これをマルキーニョスがゴール左に落ち着いて決め、鹿島が先制した。

 前半32分にはG大阪のチャンスで平井のスルーパスに抜け出したチョ・ジェジンがPA内で岩政に倒されたが、ファウルはなし。同38分には判定に異議を唱えた安田理に警告が出されるなどG大阪にとってはイライラの募る展開となった。

 不穏な空気を吹き飛ばしたのは、意外な一撃だった。前半ロスタイム、加地が右サイドから中に切れ込み、左足を一閃。これが小笠原の頭に当たって軌道が変わり、ゴール左上へ。最高の時間帯でG大阪が追いつき、前半を1-1で折り返した。

 後半も一進一退の攻防が続いた。鹿島は後半7分、野沢の左CKに岩政が頭で合わせるが、GK藤ヶ谷が好セーブ。G大阪も同8分、二川がミドルシュートを放つと、同16分にも加地が積極的に狙った。

 こう着状態を破るべく、先に動いたのはG大阪だった。後半17分、平井に代わって17歳のFW宇佐美貴史を投入。鹿島も直後の20分、フェリペ・ガブリエルを下げ、MF遠藤康をピッチに送り込んだ。

 後半23分には加地のパスを受けた宇佐美がドリブルで右サイド深い位置まで進入するが、クロスを上げる前にラインを割ってしまう。鹿島は同37分、遠藤の右クロスをマルキーニョスが胸トラップからオーバーヘッドで狙うもゴール上へ。同39分には遠藤が強烈な左足ミドルを放ったが、GK藤ヶ谷が弾き出した。

 お互いに交代選手が持ち味を発揮し、チャンスはつくるが、勝ち越しゴールを奪うまでには至らない。後半44分にはマルキーニョスのシュートがクロスバーをかすめ、チョ・ジェジンも加地の右クロスから豪快なオーバーヘッドシュートでゴールを襲った。ロスタイムには遠藤のパスを受けた野沢が絶妙なターンでDFをかわし、左足で狙ったが、最後のシュートが大きく上に浮いてしまった。

 両チーム、最後の決め手を欠き、勝負は大会規定により、延長戦なしのPK戦にもつれ込んだ。先攻の鹿島は小笠原、野沢、新井場、岩政、マルキーニョスと5人全員が決めたのに対し、後攻のG大阪は1人目、名手の遠藤がゴール上に浮かしてしまい、まさかの失敗。鹿島がPK5-3で勝ち、大会連覇を果たした。

(取材・文 西山紘平)

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