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タイトル獲っても不満、小笠原「90分で決めたかった」

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[2.27 富士ゼロックススーパー杯 鹿島1-1(PK5-3)G大阪 国立]

 今季1つ目のタイトル獲得にも、鹿島アントラーズの選手は満足していなかった。MF小笠原満男は「勝ちは勝ちだけど、正直、90分で決めたかったのが本音」と感情を抑えながら語った。前半20分にFWマルキーニョスのPKで先制。前半ロスタイムに同点に追い付かれると、後半もチャンスはつくっていたが、GK藤ヶ谷陽介の好守もあり、勝ち越し点を奪えなかった。

 DF岩政大樹も「今日はチーム状態があまりよくなかった。ほとんど試合をしていない。ボールにもほとんど行けてなかった」と認める。23日にACL長春亜泰戦から中3日。今季公式戦初戦からの反動もあった。岩政は「体が重い感じで、予想以上に疲労感が残っていた」と振り返った。

 結果はPK戦での勝利。「PKでも勝つのと負けるのとでは気持ちが違う。PKも勝負のうちだし、“勝ちに行くぞ”と話していた」と小笠原は言う。内容が悪くても、決定力を欠いても、結果だけは残す。J屈指の勝負強さで前人未到のJリーグ3連覇を成し遂げた王者は、したたかにタイトルをつかんだ。

 それでも、悲願のACL制覇、Jリーグ4連覇など全タイトル獲得を目指すチームからすれば、不本意な試合だった。小笠原は「チャンスをいっぱいつくっても、入りませんでしたじゃ意味がない。ゴールを取らないと、試合には勝てない。そこが一番大事なところ」と力説する。

 後半20分にはMF遠藤康がピッチに入り、リズムを変えた。25、39分には積極的にミドルシュートを狙い、37分にはマルキーニョスへ好パスも出した。だが、ゴールという結果には結びつかなかった。

 小笠原は「持ち味を出していたけど、シュート練習はしないとね。ヤス(遠藤)だけじゃないけど、決めるところで決めないといけない」とあえて厳しい言葉を投げかけた。「最後のつめのところを練習して、決める部分をしっかりやっていきたい」。ゴールに貪欲に。無敵の王者はさらなる高みを目指している。

<写真>鹿島FW小笠原
(取材・文 西山紘平)

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