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憲剛&ジュニ不在も川崎F競り勝つ

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[3.6 J1第1節 川崎F 2-1 新潟 等々力]

 悲願の初Vへ、昨年2位の川崎フロンターレが白星スタートを切った。ホームに昨年8位のアルビレックス新潟を迎え撃った川崎Fは前半、FWレナチーニョとFW黒津勝のゴールにより2点を先取。新潟の反撃を後半19分の1点に封じ、2-1で競り勝った。

 司令塔の日本代表MF中村憲剛が下顎骨骨折のため欠場し、エースFWジュニーニョも右ふくらはぎ肉離れで不在。対して新潟も右太腿裏痛のMFマルシオ・リシャルデスと右肩関節脱臼のGK高木貴弘を欠く中で開幕戦を迎えた。

 川崎F・高畠勉監督、新潟・黒崎久志監督とともに41歳の新監督が就任した両チームの戦いでもあったこの一戦。好スタートを切ったのはすでにAFCチャンピオンズリーグで公式戦1試合を経験している川崎Fだった。試合開始わずか25秒、北朝鮮代表FW鄭大世のポストプレーを起点に右サイドを抜け出した黒津が強烈なシュート。これはGKの正面を突いたが、こぼれ球を拾ったレナチーニョが切り返しでDFを外すと、豪快な右足シュートをゴール右上へたたき込んだ。

 新潟は14分にDFのマークを外したFW矢野貴章がDF内田潤の右クロスを頭で押し込むも、判定は無情にもオフサイド。なかなか勢いに乗れない新潟に対し、鋭いプレッシャーで相手のリズムを狂わせていた川崎Fは21分、自陣でパスカットしたMF稲本潤一がドリブルで駆け上がると、右サイドを突いた黒津へスルーパス。フリーでボールを受けた黒津はコントロールから強烈な左足シュートをゴール左隅へ突き刺した。

 35分にはFKのこぼれ球を拾ったDF小宮山尊信がゴール左ポスト直撃の右足ミドルを放つなど、新加入組も躍動する川崎Fに対し、新潟は前半沈黙。それでも後半、全体の運動量が上がった新潟はセカンドボールの攻防戦で相手を上回り、自分たちのペースへと立て直した。9分にDF千葉和彦が放ったヘディングシュートはGK川島永嗣の好守に阻まれたものの19分、相手DFのギャップを突く内田からのパスにチョ・ヨンチョルが反応。そのままPAへ侵入すると、追撃ゴールを決めて1点差へ迫った。

 抜群の運動量で動き回る三門雄大本間勲の両MFから中央、サイド攻撃を繰り出す新潟は、その後もFW大島秀夫のポストプレーから本間がシュートへ持ち込むなど攻め立てる。後半はアグレッシブに戦っていた新潟だったが、それでも日本代表GK川島の壁は高く、あと1点を獲ることができないまま試合終了。川崎Fが3年ぶりとなる開幕戦勝利を飾った。

(文 吉田太郎)

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