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広島は寿人&山岸の11年ぶりホットラインで3発快勝!

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[3.20 J1第3節 湘南1-3広島 平塚]

 11年ぶりに“ホットライン”が復活し、2連勝をつかんだ。サンフレッチェ広島はFW佐藤寿人の2得点と川崎Fから新加入のMF山岸智の1得点で湘南を3-1で下したが、佐藤の2ゴールはいずれも山岸のアシスト。高校時代からのコンビが再結成され、平塚で爆発した。

 「ジェフのユースでは2トップを組んでましたし、お互いの特徴は分かっています。当時の記憶がある? 覚えてますよ!?佑・年生でヤマが1年生。ずっとやってたんで。オシムさんの日本代表でも一緒にやりましたしね」

 佐藤が懐かしそうに振り返った。この2人、ともにジェフユナイテッド千葉の下部組織出身だ。佐藤が高3のとき、高1ながら才能を発揮していた山岸と2トップを組んでいた。当時は長身だった山岸がポスト役、佐藤が現在と同様に、スピードを生かしたゴールゲッターだった。

 今季、山岸が川崎Fから加入し、コンビが再結成された。山岸は右MFと、当時とはポジションが違うが、プレースタイルは百も承知。それでも、キャンプ中は久しぶりすぎて微妙なズレがあり、「あまりうまくいっていなかった」(山岸)ようだが、公式戦を重ねるたびに取り戻した。

 この日の2得点は、いずれも山岸が右サイドを崩して、グラウンダーでGKとDFの間にパスを入れて、佐藤が飛び込んだもの。山岸は「(佐藤はDFの間への)入り方がうまい。必ずああいう場所に入ってくる。間に入れるだけだった。狙い通りです」とニンマリだ。

 山岸は後半12分に右サイドを突破してゴールまで決めて見せた。新天地で全得点に絡む活躍。かつて“オシムの申し子”といわれ日本代表にも選出された才能の持ち主だが、08年に千葉から移籍した川崎Fでは戦術に合わず出場機会が激減していた。輝きを取り戻すため、広島へのレンタル移籍を決断。今季に賭けていただけに「ようやくですね。苦しい時間を過ごしてきたから、そういう意味ではすごく良かった」と本音を口にした。

 広島にはかつて『佐藤-駒野』というホットラインがあったが、2010年、『佐藤-山岸』の“ジェフライン”が誕生した。「川崎Fでは守備的な役割が多かったと思うけど、うちは攻撃なサッカー。彼の持っている得点力が出せると思う。うちにとっても大きな武器になる」と佐藤も信頼を寄せる。今後、このホットラインがさらに“熟成”すれば、広島の躍進につながることは間違いない。

(取材・文 近藤安弘)

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