beacon

本田に触発?俊輔が無回転ミドルで2799日ぶりゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.20 J1第3節 横浜FM4-0川崎F 日産ス]

 横浜F・マリノスのMF中村俊輔が復帰2戦目で初ゴールを決めた。J通算150試合目の区切りの一戦。海外移籍前ラストゲームだった02年7月21日の東京V戦以来、2799日ぶりとなるJリーグでのゴールは、伝家の宝刀の左足から生まれた。

 前半8分だった。FW山瀬功治のシュートがポストに弾かれ、こぼれ球を相手DFがクリア。そのボールが俊輔の目の前に飛んできた。ゴールまで約25m。右45度の位置でワントラップから左足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。

 日本代表GK川島永嗣も反応できない無回転ミドルだった。試合後、川島は「狙っているコースはイメージできていたけど、無回転気味のボールで、最後に伸びてきた」と証言。16日の欧州CLでMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が決めた無回転FKに触発されたわけではないだろうが、会心の一撃に飛び跳ねてガッツポーズを見せた。

 「あれは自分の前に来たクリアボール。前にDFもいなかったからね。もし、DFがいても、横に流して打てるようにならないと」。試合後は冷静に振り返った俊輔だが、自身が出場した2試合で7得点を量産したチーム状態には手応えも深めている。

 「みんなボールを持てるし、さばけるし、何より重要なのは動けること。みんな走れるからね。それをかみ合わせるのが自分の役目かな。我慢してサイドに張っていたり、そういうバランスとか。相手もつかみづらいはずだし、それぞれの良さを引き出したい」

 右サイドで先発しながら、時には中に絞ってパスを引き出し、また別の時間はサイドに張って起点をつくる。俊輔の動きに合わせるようにチーム全体も連動し、波状攻撃を仕掛けた。

 「みんな意思の疎通ができている。そういうのは去年の浩吉さん(木村浩吉前監督)がつくったものだと思うし、俺はそれに肉付けできればいい。去年が大きいと思うよ」。選手の顔触れは、10位に終わった昨季とほとんど変わっていない。だが、ここ2試合の横浜FMは個々が持ち味を発揮しながら、チームとしての連動性も備えている。確実に進化を見せるチーム。その中心に背番号25がいる。

<写真>前半8分、先制点を決める横浜FM・MF中村
(取材・文 西山紘平)

TOP