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[C☆voice_11]明治大MF小林裕紀「インカレMVPは意識していない」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第11回は1月の全日本大学選手権で明治大を51年ぶりの優勝へと導き、MVPに選出されたMF小林裕紀選手(4年=ヴェルディユース)だ。ミスのない、高精度のボールコントロールとバランス感覚には関係者、他大学の選手たちも絶賛する。来季のJ入りが濃厚な“天才レジスタ”の現在の目標と課題とは?

―きょうの国士舘大戦(4月24日)は苦戦だったが?
「我慢の90分でした。あきらめなかったところと、3連勝したいという気持ちが勝利につながったのだと思う。(チャンスはゴールシーンの)ほぼ一発気味だったけど、みんな献身的にやってくれてそれが勝利につながった」

―押し込まれる展開になると?
「国士は勢いに乗せるとやっかい。前から来たところを剥がす練習をやってきた。でもそれができなくて。対応が悪くなったときに立て直すことができないのが今の明治の課題です。自分も確かにプレッシャーがすごくてそれを感じていたけど、それでも取られてしまってはいけない。上を目指すにはその状況でもやれるところをピッチで示さないといけない。きょうは仕事ができていないので反省ばかりです」

―大学王者に輝いて、自身もMVPに。意識は変わった?
「インカレで優勝できたことは大きかったけど、それは失点しなかったから。自分としても、点をとった訳でもアシストをした訳でもないので活躍してMVPを取ったという実感はないです。評価してもらえたことは確かにうれしいですけど、“おまけ”みたいなものだったのかなと。自分はMVPだ、という意識はしていないです」

―大学4年生を迎える今季、リーグ戦開幕前には磐田の練習参加をした
「Jの練習に参加させてもらって、このままじゃダメだと感じられました。大卒1年目からJで使ってもらうためにはこの1年が大事だと。このレベルでできるのは当たり前という感覚までもっていければ、成長できる。練習参加で感じた課題は守備だったり、ポジショニング、そしてフィジカルの部分も。あと、小さなところでも、丁寧にやるところが重要であることを学びました。そこでいいパスがくれば点になるというところでJの選手は絶対にズラさない。またサボったらやられるし、そういうところはこだわらないといけないな、と感じました」

―開幕前には関東選抜でもプレーしたが、高いレベルで通用していると感じている部分は?
「自分は人との関連性がよくて、いろいろな人とやってもそん色なくできると。どのチームに入ってもうまくやる自信をもっている。これはもっと確かなものにしたい」

―将来への判断は?
「いろいろな人に相談しながらですけど、最終的には自分で決めることなので自分が納得のいく決断をしたいです」

―今シーズンの目標を
「目標は3冠なんですけど、常に上位に絡んでいくことが大事だと思います。勝ちにこだわってどん欲になりたいし、自分も勝つことにどん欲な姿勢をプレーで出したい」(取材日:4月24日)

(取材・文 吉田太郎)

連載:「College star voice」

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