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チームは負けても…MVPのナイジェリアGKエニェアマ「素晴らしい夜」

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[6.12 W杯グループリーグB組 アルゼンチン1-0ナイジェリア エリスパーク]

 試合後、最も大きな拍手を受けたのは敗者であるナイジェリアのGKビンセント・エニェアマだった。前半6分にCKから先制点を許したが、その後はスーパーセーブを連発。メッシ、イグアイン、テベスという世界最高レベルのストライカーが並ぶアルゼンチンの攻撃陣を自らの両手で封じ込めた。

 前半37分にはメッシのシュートを左手ワンハンドでかき出し、後半21分にもイグアインの決定機を右手1本でセーブした。後半36分のメッシのシュートもストップ。チームは敗れながら、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。

 「自分にとっては素晴らしい夜になった。アルゼンチンのようなチームと対戦できることはだれにとっても最高なんだ」。エニェアマはそう胸を張った。

 2月に就任したばかりのラーシュ・ラーゲルベック監督は短期間でしっかりとチームをつくってきた。スウェーデン監督時代同様、4-4-2のMF4枚、DF4枚でブロックをつくる守備組織はアフリカのチームとは思えない規律があった。

 この日はメッシの圧倒的な個人技の前に歯が立たなかったが、今のメッシを止められるチームはそうはないだろう。守護神の活躍を含め、今後につながる試合になったのは間違いない。

 「結果には少し失望しているが、選手の頑張りは誇りに思う。残念ながらCKの場面でミスが起きた。このレベルの大会では、一瞬でも集中を欠けば、その代償を払わなければならない」。そう語ったラーゲルベック監督がどうチームを立て直していくか。ナイジェリアはこのままでは終わらない。

<写真>ナイジェリアGKエニェアマ
(取材・文 西山紘平)

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