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鹿島イ・ジョンスまた決めた!韓国、執念のドローで決勝T進出!!

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[6・22 10年W杯GL・B組 ナイジェリア 2-2 韓国 ダーバン・スタジアム]

 韓国が16強進出!! 10年W杯南アフリカ大会は大会12日目の22日、グループリーグA組、B組の最終節を行い、ダーバンのダーバンスタジアムではB組のナイジェリアと韓国が激突。試合は2-2で引き分け、グループ2位を守った韓国が決勝トーナメントへの進出を決めた。韓国は6月26日の決勝トーナメント1回戦でA組1位のウルグアイと対戦する。

 決勝トーナメント進出の権利を守りきった韓国の選手たちが両腕を突き上げ、そして歓喜の抱擁を繰り返す。ナイジェリアの猛攻をかわして引き分けへ持ち込んだ韓国が、アジア勢のグループリーグ突破一番乗りを果たした。
 ともに決勝トーナメントへの進出の可能性を残したまま迎えたグループリーグ最終戦。ここまで2連敗のナイジェリアは先発4人を入れ替え、アトランタ五輪金メダルメンバーのFWヌワンコ・カヌを今大会初めてピッチへ送り出した。4-5-1システムのGKはここまで2試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに輝いているビンセント・エニェアマで4バックは右からチディ・オディア、ジョセフ・ヨボ、ダニー・シットゥ、ラビウ・アフォラビ。中盤はアイラ・ユスフディクソン・エトゥフがダブルボランチを務め、右がチネドゥ・オバシ、左がカル・ウチェ。トップ下にカヌが入り、ヤクブ・アイェグベニが1トップとして先発した。

 一方、1勝1敗の韓国はアルゼンチン戦で先発を外れていたチャ・ドゥリを再び右SBに起用する4-4-2システム。残りの10人は不動でGKがチョン・ソンリョン、4バックは右からチャ・ドゥリ、チョ・ヨンヒョンイ・ジョンスイ・ヨンピョ。中盤の底の位置にキム・ジョンウキ・ソンヨンが入り、右MFがイ・チョンヨンで左がパク・チソンパク・ジュヨンヨム・ギフンが2トップを組んだ。

 先にリードを奪ったのはナイジェリアだった。前半12分、右サイドを独力で突破したオディアが強引に右クロスを上げると、ファーサイドから飛び込んできたウチェが無警戒だった相手SBの前に入り込んで右足シュート。これがゴール右隅へと決まり、先制に成功した。
 
 敗れると敗退の決まる韓国は反撃に転じるが明らかに焦りが見え、ミスでリズムに乗ることができない。逆にナイジェリアMFウチェの右足ミドルがゴールポストを叩くなど、精神的に追い詰められていく。それでも38分、左サイドでイ・ヨンピョがFKを獲得すると、キ・ソンヨンのキックに大外の位置から飛び込んできたイ・ジョンスが右足ダイレクトで合わせて同点。鹿島アントラーズのCBが決めたゴールで試合を振り出しに戻した。

 貴重な一撃で立て直した韓国はさらに後半4分、代表戦で結果を出せていなかったエースストライカーの右足が歓喜をもたらす。PA左角付近で得たFKから10番のパク・ジュヨンが右足を一閃。ナイジェリアDFが構築した壁の右外を巻いたボールは、一瞬逆を突かれた名手・エニェアマの指先を抜けてゴール右隅へと吸い込まれた。

 ナイジェリアは13分にカヌに代えてFWオバフェミ・マルティンスを投入。直後の14分には右サイドからのパスを受けたヤクブが鋭い切り返しでDFを外してGKと1対1になり、さらに22分には左サイドを完全に攻略する。スルーパスに走りこんだアイラの折り返しを受けたヤクブが、ゴール至近距離から決定的な右足シュート。だがGK不在で当てるだけに見えたシュートをゴール左へ外してしまう。

 試合を通じてシュート精度の低さが目立ったナイジェリア。それでも22分、一度失ったボールをPA内で取り返したオバシがMFキム・ナミルに倒されてPKを獲得する。これをヤクブが右足できっちりと決めて2-2。この後、互いが撃ち合った試合は個で上回るナイジェリアへと流れが傾いていく。それでもナイジェリアはマルティンスの決定的なループシュートが枠を外れ、25分に投入されたFWビクトル・オビンナの強烈なミドルシュートもゴールを捉えることができない。
 終盤、明らかに運動量の落ちた韓国は簡単にボールを失う場面が増えていったが、精神力の強さとナイジェリアの拙攻によりあと1点を与えず。1勝1分1敗でグループ2位に食い込み、02年の日韓大会以来となる16強へ駒を進めた。

<写真>前半38分、同点ゴールを決めた韓国DFイ・ジョンス
(文 吉田太郎)

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