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彼女の前で空回り?失点に絡んだイ・ジョンスが最後に決勝弾

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[7.17 J1第13節 鹿島2-1川崎F カシマ]

 鹿島アントラーズが3月27日の第4節終了時点以来、約4ヵ月ぶりに首位に返り咲いた。1-1の前半42分、川崎FのMF稲本潤一が退場。残り時間を数的優位に立ちながら、10人の相手を攻めあぐねた。それでも最後にセットプレーからゴールをこじ開けることができるのが鹿島の勝負強さでもある。

 後半33分、MF野沢拓也の右CKにDFイ・ジョンスが頭で合わせる決勝点。南アフリカW杯でもセットプレーから2得点を決めた韓国代表DFがチームを3連勝に導き、4連覇を目指す王者を首位に押し上げた。

 「前半にミスしてしまったので、それを挽回できてよかった。いいボールが来て、決めることができた」。前半39分の失点シーンはイ・ジョンスがFW黒津勝に簡単にかわされ、同点ゴールを叩き込まれた。「もう少し冷静に対処すればよかったけど、焦って食いついてしまったのは残念」。センターバックとして失点に絡んでしまったことを反省していたが、最後に帳尻を合わせた。「今日は彼女が見に来ていて、いいところを見せようとして空回りしてしまったけど、最後にゴールできてよかった」と苦笑いだった。

 W杯から戻ってきたばかりでは、気持ちの切り替えも簡単ではないはずだ。それでも「W杯が終わって、最初の水曜日の試合(14日の湘南戦)が重要だと思っていた。W杯で自分のいい姿を見てくれた人もいるだろうし、失望されないように準備していた」と言う。「W杯ではいい結果を残さないといけないという気持ちがあったけど、鹿島もJリーグで3連覇しているチーム。常にチャンピオンでいなければならないし、新たな目標を持ってやっている」と力説した。

 中断明け2連勝。上々のリスタートを切ったが、MF小笠原満男は「まだまだリーグ戦は半分も終わってない」と気を引き締める。首位返り咲きにも「上(清水)がこけてのことだから。勝ち続けることの方が大変だし、これからもしっかり勝って、(順位が)入れ替わることなく、最後まで1位でいたい」と、あくまで淡々と受け止めていた。

<写真>ヘディングをする鹿島DFイ・ジョンス
(取材・文 西山紘平)

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