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[日本クラブユース選手権(U-18)]小林鮮烈の無回転FK!東京Vユースが伝統の一戦制し決勝へ

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[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)準決勝 東京Vユース 2-0 横浜FMユース ニッパ球]

 adidas CUP 2010第34回日本クラブユース選手権(U-18)大会の決勝カードは柏レイソルU-18(関東7)対東京ヴェルディユース(関東3)に決定――。30日、神奈川県横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で行われた準決勝の第2試合は、東京Vユースが横浜F・マリノスユース(関東4)に2-0で快勝。8月1日に同会場で行われる決勝進出を決めた。

 10番の左足が東京Vを決勝へと導いた。東京Vは0-0で迎えた後半2分、ゴール正面右寄り、ゴールまで約25mの位置でFKを獲得すると、すでにJデビューを果たしているMF小林祐希が得意の左足を振りぬく。ゴールを捉えた一撃に対して横浜FMのU-17日本代表GK鈴木椋大はセービングの体勢に入っていたが、急激に変化したボールはその下をすり抜けてゴールへと吸い込まれた。均衡した試合の流れはこの一発を境に東京Vへ。エースの先制弾が4年ぶりとなる決勝進出の権利を手繰り寄せた。

 東京Vはその小林が中盤の底の位置で渋谷亮とコンビを組む4-4-2システム。GKはキローラン菜入で4バックは右から大木暁キローラン木鈴高野光司舘野俊祐。右MFが山浦新で左には杉本竜士が入り、2トップは相馬将夏南秀仁が先発した。

 一方、昨年の全日本ユース(U-18)選手権に続く優勝を目指す横浜FMは4-2-3-1システムでGK鈴木、4バックは右から星雄次保田隆介渡辺大斗宮本和輝。中盤はU-17日本代表の熊谷アンドリュー喜田拓也がボランチコンビを組み、その前方に昨年の大会得点王の松本翔と相場遥介、後藤拓斗が並んだ。1トップは高橋健哉が務めた。

 試合序盤、トップチームでブレイク中のFW小野裕二を欠きながら勝ち上がってきた横浜FMが、決定機をつくる。DFライン手前に並んで構える後藤、高橋、松本らが縦パスを引き出し、スピードに乗ってPAへと走りこむと、8分には松本がGKと1対1になったほか、豊富な運動量で右サイドを駆け上がる星へ好パスが出る場面もあった。

 だが、東京Vは地上戦で徐々に試合の流れを傾けていく。小林、杉本、南といったテクニシャンたちのキープ力と速く正確なラストパスが差を生み出した。33分に杉本が放った左足シュートがポストを叩くなど、なかなかリードを奪えなかったが、小林の鮮烈ゴールで先制すると、FW南部健造とMF横内宏治を投入した後の22分には抜け出した南がGKの頭上を抜く圧巻のボールコントロール。これはゴール目前で横浜FM・保田にスーパークリアされたものの24分、南がポストへ当てたシュートのこぼれ球を自ら押し込み2-0とした。

 横浜FMは後半開始から投入していたFW伊東海征のほかU-17代表MFの鈴木雄斗、MF澁谷元気を送り出し、流れを引き寄せようとする。だが、安定した最終ラインなど隙を見せない東京Vの前にチャンスらしいチャンスをつくることができない。試合終了間際にピッチへ送り出した182cmFW剣持和義も得点につなげることはできず、無得点で大会から去ることとなった。逆に終盤、小林と南を下げてMF楠美圭史とMF中島翔哉を投入し、試合を締めた東京Vは2-0で勝利。東京Vの小林、高野、キローラン兄弟に横浜FMの熊谷、後藤ら年代別代表経験者が多数名を連ねた伝統の一戦を快勝で制した東京Vが、5年ぶりVへ王手をかけた。

(取材・文 吉田太郎)

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