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[スルガ銀行CS]F東京がロスタイム大黒弾で追い付きPK戦勝利、日本勢初勝利

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[8.4 スルガ銀行チャンピオンシップ F東京2-2(PK4-3)LDUキト 国立]

 昨年のナビスコ杯を制したFC東京とコパ・スダメリカーナの優勝チームであるLDUキト(エクアドル)が対戦する「スルガ銀行チャンピオンシップ」が4日、東京・国立競技場で行われた。試合は2-2で90分間を終え、F東京がPK4-3で勝った。F東京は0-1の前半34分にFW平山相太が同点ゴール。LDUキトは後半18分にMFパトリシオ・ウルティアのPKで再び勝ち越したが、後半ロスタイムにFW大黒将志のゴールで追い付き、F東京がPK戦の末、競り勝った。

 リーグ戦の過密日程が続いたF東京は7月31日の新潟戦(1-2)から先発6人を入れ替え、中盤の右サイドではMF石川直弘が先発。2トップはFWリカルジーニョとFW平山相太が組んだ。
 LDUキトは3-4-3のシステムだった。
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 立ち上がりから試合を優勢に運んだのはF東京だった。前半4分、DF中村北斗の左クロスにMF森重真人がヘディングで合わせるが、GKの正面に飛ぶ。同6分にはカウンターから平山のパスを右サイドで受けた石川がそのまま中に切れ込み、左足で強烈なミドルシュート。GKのセーブに阻まれたが、中盤を支配し、試合の主導権を握り続けた。

 ところが、LDUキトがワンチャンスを生かし、先制点を決める。前半29分、FWサルゲイロの縦パスを受けたFWバスコスは鋭い切り返しでDF今野泰幸をかわすと、右足を一閃。これがゴール左隅に吸い込まれた。

 先制点で勢いに乗るLDUキトは直後の前半31分にもバスコスのスルーパスに抜け出したMFアラウーホが左足で狙うが、GK権田修一がセーブ。すると、F東京は前半34分、中盤でボールを持ったMF田邉草民が思い切りよくミドルシュートを打つ。これがDFに当たってゴール手前で急激に落下。GKが前にこぼしたボールに平山が詰め、同点ゴールを奪った。

 1-1で折り返した後半開始からF東京は2人を交代。MF大竹洋平に代えてMF羽生直剛、森重に代わってMF梶山陽平がピッチに入った。さらに後半12分にもリカルジーニョに代えてFW大黒将志を投入。同16分、平山のスルーパスに大黒が抜け出しかけるが、シュートは打ち切れなかった。

 試合の主導権を握るF東京だが、ゴール前で攻め切れない。すると、後半17分、LDUキトのFKの場面でDF椋原健太がPA内で相手選手を倒してしまい、PKを献上。これをMFウルティアに決められ、1-2と再びリードを許した。

 F東京は後半19分、田邉に代えてMFソ・ヨンドクを投入。ソは左サイドに入り、羽生がボランチに移った。同24分には平山のスルーパスに抜け出した石川がゴール前に折り返すも、味方に合わない。

 後半32分には石川がベンチに下がり、U-19日本代表の北アイルランド遠征から帰国したばかりのFW重松健太郎が入る。同36分にも椋原に代えてDF松下年宏を投入し、6枚の交代枠を使い切ったが、相次ぐ選手交代の影響か、攻撃の連係を欠き、反撃に勢いが出ない。

 このまま1-2で試合終了かと思われた後半ロスタイム、自陣からのロングボールに平山が競ったこぼれ球がゴール前に流れ、大黒が素早く反応。DFの前に体を入れると、倒れ込みながら左足アウトサイドでゴール左隅に流し込んだ。2-2。F東京が土壇場で追い付き、試合はPK戦にもつれ込んだ。

 PK戦ではGK権田が先攻1人目のウルティアのキックを見事にセーブ。F東京も3人目の重松がGKに防がれてしまうが、LDUキト4人目のFWカルロス・ルナがゴール右に外す。最後は5人目の梶山が落ち着いて決め、PK4-3でF東京が勝利。過去の大会では08年のG大阪、09年の大分ともに敗れており、3回目の開催で日本勢初勝利となった。

(取材・文 西山紘平)

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