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守護神・楢崎が代表引退を宣言

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 初招集はまだ20歳だった96年。15年間で積み重ねてきたキャップ数は77。日本が出場したW杯4大会すべてを経験してきた守護神楢崎正剛(名古屋)が、グアテマラ戦後に日本代表からの引退を表明した。

 「引退? そのつもりです。自分の希望を合宿の初日に、原さんに伝えました。だから、もう(代表の)リストには入りません」

 さばさばとした口調に、決意の固さをにじませた。

 動の川口能活(磐田)に対し、静の楢崎と言われ、しのぎを削り合っては実力を高め合い、日本代表を最後尾から支えてきた。

 南アフリカ大会は集大成という位置づけで臨んだ。W杯アジア予選では3次予選と最終予選の14試合中10試合でゴールマウスを守り、特に最終予選は8試合中6試合に出場。日本の4大会連続出場に大きく貢献したという自負もあった。

 ところが本大会では直前のチーム不振から正GKの座をはく奪され、ベンチメンバーに甘んじた。だがそれでも大会中は落ち込む様子を一切見せず、黙々と練習に取り組んだ。

 日本に帰国後、代表引退の意志を固めたが、「新監督が決まらない状況だったので(言えなかった)」という。「原さんは僕の気持ちを尊重してくれたと思うけど、ちょっと待ってという感じでもあった」とも話した。

 「W杯に4回出て、また1からのスタートに呼んでもらえて幸運だった。いろんな経験をさせてもらったことに感謝している。これから(若手に)お返していかないといけない」

 この日はグアテマラに1点を奪われたが、力の衰えはまったくない。40歳近くまで現役でいられるポジションであるGKで、34歳の代表引退は惜しい。

<写真>代表引退を宣言したGK楢崎
(取材・文 矢内由美子)

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