beacon

国際経験不足の不安も関塚監督「ロンドン五輪に出場する」

このエントリーをはてなブックマークに追加
 2012年ロンドン五輪を目指す日本代表の体制が決まった。監督に選ばれたのはJ2だった川崎フロンターレをJ1優勝争いの常連へと育て上げた関塚隆氏。原博実技術委員長は「早稲田大、アントラーズ、エスパルス、そしてフロンターレと指導者として長くやっているし、(日本代表のコーチと)この代表の両方見るのがいいだろうと、説得してやってもらうことになった。若い世代の選手を発掘して育ててくれると思う」と就任理由を説明した。
 サポート役としてはW杯南アフリカ大会日本代表コーチを務めた小倉勉氏と同代表でテクニカルスタッフを務めていた武藤覚氏が入閣(GKコーチは未定。アジア大会では慶越雄二氏が担当)。関塚監督は五輪へ向けて「アジア予選をしっかりとした形で突破してロンドン五輪に出場する」と目標を語った。
 
 そのロンドン五輪アジア予選は11年6月にスタートする。1989年生まれ以降の選手が当てはまるロンドン世代。懸念されているのはその国際経験の少なさだ。GK権田修一(F東京)、FW柿谷曜一朗(当時C大阪)、MF水沼宏太(当時横浜FM)らのメンバーで臨んだ08年AFC U-19選手権ではFW永井謙佑(福岡大)が得点王を獲得する活躍を見せたが、MF香川真司(当時C大阪)がチーム事情で帰国した後に戦った韓国との準々決勝で0-3で完敗。8大会ぶりにU-20W杯出場を逃した。当たり前のように出場してきたU-20W杯の出場権を失ったことで海外のチームと真剣勝負する回数は不足。日本サッカー協会はロンドン世代の強化策としてU-20日韓戦や東アジア競技大会への派遣を行ってきたが、不安が全くない訳ではない。

 今回、関塚ジャパンの初陣となる第16回アジア競技大会(11月、中国・光州)のメンバーには永井やJ2で今季9得点の工藤壮人(柏)、DF山村和也(流通経済大)らを招集。Jリーグ終盤戦と日程が重なるため権田やMF金崎夢生(名古屋)、FW大迫勇也(鹿島)、CB村松大輔(湘南)らこの年代の主力候補と見られる選手たちのアジア大会メンバー選出は見送られたが、この年代には彼らに加えて新生・日本代表の主力としても期待されている香川や現在負傷中のMF山田直輝(浦和)、MF米本拓司(F東京)、そしてU-19世代にも有力選手がいる。「(有力選手の)ポジションが偏っていると思う。(経験値の少ない)可能性を秘めたプレーヤーが厳しい戦いを何試合できるか」と懸念する関塚監督はその不安を埋めて、前回の3枠(開催国の中国を合わせると4)から3.5枠へと増加された五輪出場枠を勝ち取ることができるか。

 まだ未定だが、早ければ10月に複数回の強化合宿を開催。「厳しい戦いを戦える選手を育てないといけない。(五輪の)高いレベルで戦うことがトップにつながる」と意欲的な関塚ジャパンが間もなく本格的に始動する。

TOP