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「ザックへの推薦状」、ゲキサカ一押しの“ゼロキャップ”選手16人

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 いよいよ30日にアルベルト・ザッケローニ監督が初めてメンバー選考した日本代表メンバーが発表されます。9月のパラグアイ戦、グアテマラ戦は原博実技術委員長を中心に技術委員会で人選を行い、練習や試合も原監督代行が指揮を執りました。事実上のザックジャパン初陣となる10月8日のアルゼンチン戦(埼玉)に向け、どんなメンバーが選ばれるのか。大きな注目が集まっています。

 そこでゲキサカでは「ザッケローニ監督への推薦状」と題して、過去に国際Aマッチ出場歴はないものの、現在Jリーグで活躍している国内組の中から、4年後のブラジルW杯に向けてさらなる成長が期待される選手16人をピックアップしました。

 選考の条件は(1)国際Aマッチ出場経験のないゼロキャップの選手(2)ロンドン世代より年長となる88年12月31日までに生まれた選手(3)ブラジルW杯が開催される14年6月時点で32歳以下の選手――。今回のメンバー発表で選出されるかどうかはともかく、精力的にJリーグの視察を進めるザッケローニ監督にゲキサカが推薦したい選手をポジション別に挙げていきます。


北野貴之(27=大宮)
「バランスの取れた186cmのGKで、ハイボールの強さやシュートストップで見せる瞬発力、状況判断に優れる。当たり出すと止まらない一方、試合によって単純なミスを見せることもあり、安定感には課題もある。国際経験を積むことで、どう成長するかを見てみたいGKのひとり」

飯倉大樹(24=横浜FM)
「180cmとGKとしては長身ではないが、積極的な飛び出し、シュートへの反応速度に優れる。まだ荒削りだが、元横浜FMの川口能活(磐田)を彷彿とさせる。キックの精度も高く、経験を積んで簡単なミスをなくし、落ち着きのあるセービングを身に付ければ面白い存在になる」

<右サイドバック>
高橋大輔(27=C大阪)
「90分間、何度でも上下動できる運動量とフィジカルの強さは世界の舞台でも試したいところ。本来は攻撃的なアタッカーだが、今季はSBとしてレギュラーに定着し、守備力も磨かれた。キックの威力、精度も申し分なく、経験を積んでサイドのスペシャリストに成長してほしい」

小林祐三(24=柏)
「もともとはボランチ、CBだったが、ネルシーニョ監督に右SBへコンバートされ、新境地を開拓。運動量は驚異的で、労を惜しまないハードワークと1対1の強さなど守備力は折り紙付き。クロスの精度など攻撃面の課題を克服すれば、日本を代表するSBになってもおかしくない」

<センターバック>
伊野波雅彦(25=鹿島)
「179cmと上背はないが、対人守備の強さとカバーリング、統率力を備える。何より3連覇を成し遂げた鹿島の堅守を支えてきた経験は大きい。もともとはボランチで、左右両足のキックの精度も高い。適応力が高いため、“世界の刺激”を与えれば、さらに安定感が増すはずだ」

菊地光将(24=川崎F)
「日本人離れした身体能力など高いポテンシャルを秘めた182cmのCB。特に跳躍力に優れ、194cmのFWケネディ(名古屋)にも太刀打ちできる空中戦の強さが光る。まだプレーに荒さがあるため、経験を積んでポジショニングや足元の技術を高めれば、代表定着の期待も高まる」

中澤聡太(27=G大阪)
「中澤佑二(横浜FM)より1cm高い188cmの長身を武器にした対人の強さはJ屈指と言える。顔に似合わない激しいプレーなど、世界と戦う上で必要な“狡猾さ”も持ち合わせている。ACLやクラブW杯などで経験を積んだが、さらに世界を知って円熟味が増せば、大化けする可能性もある」

<左サイドバック>
宇賀神友弥(22=浦和)
「右利きだが、両足ともにキックの精度は高い。流通経済大時代は中盤のサイドを主戦場としていたが、左SBとしても高い能力を発揮。抜群のスピードで駆け上がる攻撃参加、帰陣しての守備と高いフィジカルを誇る。ケガの多さを克服すれば、近い将来の代表入りも難しくない」

阿部翔平(26=名古屋)
「171cmの体からは想像できないフィジカルを生かした1対1の強さを誇り、豊富な球種を持つ左足のキックの威力は抜群。数少ない左利きの左SBで、さらに守備力を上げれば、長友佑都を脅かす存在となる。将来的には左SBに阿部、右SBに長友と“強い”SBを並べることもできる」


野沢拓也(29=鹿島)
「鹿島の3連覇を支えた天才肌の攻撃的MF。シーズン終盤の勝負強さは驚嘆に値し、大事な試合になればなるほど力を発揮する。テクニック、パスセンス、フィニッシュの威力、すべてを兼ね備える。06年にA代表招集歴はあるものの、出場機会はなく、意外な“ゼロキャップ選手”」

田坂祐介(25=川崎F)
「パスセンスとドリブルキープに優れる攻撃的MF。チームでは中村憲剛を抑えてセットプレーも担当するなどキックの精度も高い。2列目のアタッカーながら運動量が豊富で、周りを生かすフリーランニングもできる器用なタイプ。より“破壊力”を身に付ければ、楽しみな選手になる」

兵藤慎剛(25=横浜FM)
「国見高時代はパスセンスに優れる司令塔タイプだったが、早稲田大からプロに入り、運動量や守備力も強化。パスの出し手としてだけでなく、受け手としても成長し、ミドルを含めたフィニッシャーとしての能力も高めている。代表招集で、もうひと皮むけることを期待したい」

本田拓也(25=清水)
「攻守にバランスの取れた本格派ボランチ。チームでは4-3-3のアンカーを務め、危険察知能力の高さで中盤の広大なスペースを埋め、球際でも強さを発揮する。ミドルレンジのパスも正確で、攻撃の起点となりながら、自ら前線に駆け上がってフィニッシュにも絡む」


エスクデロ・セルヒオ(22=浦和)
「爆発的なスピードと強靭なフィジカルを誇り、171cmの体が繰り出す重心の低いドリブルには切れ味も強さもある。フィニッシュの精度や状況判断などに課題を残すが、それだけ伸びしろもある。肉体管理などピッチ内外の意識を高めれば、潜在能力が代表レベルなのは間違いない」

平井将生(22=G大阪)
「縦へのスピードとフィニッシュの精度は一級品。J屈指のパサーが並ぶ中盤のお膳立てもあるとはいえ、今季はすでに2ケタ得点。『和製アンリ』と言われるように、左から中へ入る際の迫力は十分だ。細かい技術、DFとの駆け引きを覚えれば、さらに危険なストライカーとなる」

ハーフナー・マイク(23=甲府)
「J2で得点を量産する194cmの大型FW。J1では結果を残していないが、J2で経験を重ね、成長を続けている。最大の武器は長身から繰り出すヘディングだが、懐の深いボールキープと足元のテクニックにも優れる。長身FWを好むザッケローニ監督の目に留まっても不思議ではない」

<写真>25日の川崎F対G大阪戦を視察するザッケローニ監督、関塚隆コーチ

(構成 西山紘平、近藤安弘)

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