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浦和・高崎がJ1初ゴール、「3年目でやっと結果が出せた」

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[10.2 J1第25節 大宮1-2浦和 埼玉]

 初先発で悲願を達成した。浦和レッズのFW高崎寛之が大宮戦で今季初先発し、前半4分にMF柏木陽介のクロスから得意のヘディングでチームを勢いづける先制点を決めると共に、J1初ゴールを記録した。

 「ボールの持ち方を見て、ここに来るなと思った。うれしいですね。入団して1年目は何もできなくて、2年目は移籍(水戸)して、3年目でやっと結果が出せた」

 3年かかった記念弾に、感無量だった。2008年に駒大から浦和に加入した。だが、タレント軍団とあってほとんど出番がなく、昨年はJ2水戸に移籍した。そこで19得点と才能を開花させ、高い期待を背負って、今季から浦和に復帰した。しかし、開幕からベンチに入れない日々が続いた。

 ナビスコ杯でも先発は1試合で出場も3試合にとどまっていた。リーグ戦にいたっては、高原直泰が移籍後にベンチに定着し、9月に入ってようやく、2試合の途中出場をつかんだけだった。

 今節、FWはエスクデロ・セルヒオが負傷欠場。MFポンテが出場停止で、FW田中達也がMFに回ったため、高崎に今季初先発が巡ってきた。「緊張はしなかった。爆睡しましたよ」の言葉通り堂々とプレー。さっそく185cmの高さとポジショニングの良さを活かした。

 後半29分には縦パスに抜け出してドリブルでPA内へ。大宮DFがつい倒してしまい、PKゲットかと思われるシーンがあった。「完全に笛が鳴ったと思った。(PKをもらえなくて)びっくりした」(高崎)とファールと判断されずに悔しがったが、高さの割りにはスピードがあることも印象付けた。

 前半16分の柏木のゴールの際は、パフォーマンスを披露。ピッチ脇のカメラマンにカメラを借りて、柏木を撮影する役を担った。インテルのカメルーン代表FWエトーがよくやるパフォーマンスだが、柏木と相談して拝借した。通常、エトーは自分がゴールして、アシストしてくれた選手たちを撮影する。今回、高崎がゴールを決めた際は、アシストした柏木との距離が遠かったなど諸事情で断念しており、今後さらにゴールを決めて“正規のパフォーマンス”をするつもりだ。

 「やっぱりゲーム体力が課題ですね。練習と試合とでは違います」

 後半は運動量が落ちてしまい、同30分に交代となった高崎。たしかに、体力、そして全体的な運動量で課題を露呈したが、今季はまだ9試合が残されている。J1初ゴールで勢いに乗り、ACL出場の3位以内を狙う浦和の“救世主”を目指す。

<写真>先制点を決めた浦和FW高崎
(取材・文 近藤安弘)

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