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代表勢が明暗分ける、伊野波のパスミスから本田が先制アシスト

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[10.2 J1第25節 鹿島1-1清水 カシマ]

 日本代表勢が明暗を分けた。前半11分の清水エスパルスの先制点の場面。最終ラインでビルドアップしていた鹿島アントラーズは日本代表DF伊野波雅彦が前線へのくさびを狙い、縦パスを入れると、これを日本代表MF本田拓也がカットした。清水のショートカウンター。素早く中央でフリーのMF小野伸二に預けると、小野の豪快なミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。

 「(鹿島が)右から左に展開していたところで、中央にスペースが空いていた。たぶんそこからくさびのボールが入ってくるだろうなと思った」。本田の“読み”がまさって生まれた先制点。自らのミスで失点した伊野波は「今日出たパスミスは改善できる。失点したからと言って、ああいう縦パスを狙うのをやめたらダメ。選択する場所を間違えないようにしたい。浮かす選択もあったし、選択肢はいっぱいあった」と唇をかんだ。

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が視察していた。07年以来の招集となった伊野波とA代表初選出の本田。お互いに持ち味は発揮した。伊野波は「失点以外はそんなにやられているところはなかった。そこから取り返せる場面もあったし、そこで挽回できたのはよかった」と言い、本田も「攻撃ではミスが多かったけど、守備はそれなりにできた」と手応えを口にした。

 ともに国際Aマッチ出場経験のないゼロキャップ選手。ザッケローニ監督が抜擢した期待の新戦力だ。「一番初めの合宿なので、練習から自分の持ち味を出していきたい。アルゼンチンはドリブルのうまい選手が多いし、1対1の状況が増えると思うので、そういうところで止められればいいと思う。自信? あります」(伊野波)、「清水と代表ではサッカーが変わると思うし、しっかり対応したい。初めてで不安もあるけど、同年代の選手もいるし、楽しんで、いい刺激をもらって来れれば」(本田)。ともに85年生まれの25歳コンビは、4日から始まる代表合宿へ気持ちを切り替えていた。

<写真>アシストを記録した清水MF本田
(取材・文 西山紘平)

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