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[MOM328]FC東京U-18MF佐々木陽次(3年)_10番が待望のゴール

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.3 全日本ユース(U-18)選手権準々決勝 F東京U-18 2-0 札幌U-18 ひたちなか]

 「小林や小野がどんどん上に行って悔しい思いがある」。関東地区のライバル、東京Vユースの10番MF小林祐希、横浜FMユースの10番FW小野裕二はすでにトップチームの一員としてJの舞台に立った。一方、FC東京U-18の10番、佐々木陽次はまだ同じステージに立つことができていない。同じ10番としてライバルたちに先を越された悔しさがある。だが佐々木は現在、目の前にある舞台、高円宮杯で10番として負けない活躍をしてタイトルを獲得することに集中している。

 ボランチのポジションから派手なスルーパスを放つ一方で泥臭い役割を平然とこなす10番。ただゴールへの意欲を忘れたことはない。この日も体力を出し惜しみすることなく走り回っていたが、今大会初めて「取りたかった」ゴールの喜びも味わうことができた。歓喜の瞬間が訪れたのは1-0の後半16分。敵陣ゴールライン際でMF江口貴俊がボールに追いつくと、佐々木は迷わずゴール前に走りこみ江口のヒールパスをゴールへと流し込んだ。

 信じていた通りに来たパスと自らのゴールに喜びを爆発させた佐々木は、コーナーフラッグ目掛けて滑り込むゴールパフォーマンス。チームメイトからあっという間にもみくちゃにされていた。CB松藤正伸主将が「運動量があるし、パスで得点にも絡める。そしてきょうは結果も出せたのでうれしかったと思います」。佐々木の悩みを知っているからこそチームメートもそのゴールに喜びを爆発させた。

 自ら待ち望んでいたゴールでチームを決勝に貢献した佐々木は「このチームで優勝したい」という誓いどおりに10番の役割を最大限発揮し、F東京U-18を日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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