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松井が世代交代に危機感。金崎&関口の“挑戦者”に「僕もどうなるかわからない」

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 FW登録されウインガーとして期待される松井大輔(トム・トムスク)が、若手の台頭に危機感を示した。今回、松井が任される可能性がある右FWには金崎夢生(名古屋)が復帰し、関口訓充(仙台)が初選出された。

 金崎は名古屋の首位を牽引するロンドン世代の21歳で、関口はスピードが売りで伸び盛りの25歳。今合宿からザッケローニ新監督が指揮し、サバイバルが本格的に始まるが、29歳の松井は「代表とはそういうところ。僕もどうなるかわからない。年齢を重ねると、どうなるか分からないからね。若い選手が出てくるとフェードアウトしていくわけだから」と吐露した。

 フランス、ロシアと欧州で長年プレーし、南アフリカW杯でも全試合にスタメン出場するなど、実績は群を抜いている。レギュラーの第一候補であることは間違いないが、ザッケローニ監督は徐々に世代交代することを明言しており、松井といえども安泰とは言い切れない。

 基本はMFだが、今回はFWとして登録された。その意味はしっかりと理解している。「久しぶりだね、FWは。FWで出るのはいつ以来かな。でも、やることは変わらない。リズムを作って、チャンスを作れれば。どういう役割であれ、しっかりやるだけ」と持ち味のドリブル突破とパスで、ゴールに絡むことを目標に掲げた。松井は国際経験はもちろん、金崎や関口よりもトリッキーなドリブルやキープ力、創造性で秀でている。機能すればより攻撃的才能が生かされるはずだ。

 体力も負けるつもりはない。この日、1時間半みっちりフィジカルトレーニングが行われ、体力には自信のあるDF長友佑都(チェゼーナ)も「いい感じに刺激が入っている」と苦笑いを浮かべるほどハードなものだが、松井は「フランスでもイタリア人のフィジカルコーチの経験があります。体的には問題ない。チームの練習が軽いから、こっちでできて嬉しいですね」と涼しい表情を見せた。ロシアでの生活にも慣れ「いろいろ経験できてる。生活や文化? それもだし、いろんなサッカーを見れてるんで」と、心技体で充実していることをうかがわせた。

 「アルゼンチン戦は凄く楽しみ。早く対戦したい。しっかり日本代表のサッカーをやりたい」と松井。テクニックと激しさを持つ南米の雄に、日本のテクニシャンが真っ向勝負へ―。ポジションをキープするためにもまずは練習から、追いかけてくる若手に、そして指揮官に“差”を見せ付ける。

(取材・文 近藤安弘)

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