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鹿島は4連覇が遠のく敗戦、首位との勝ち点差は今季最大の11に

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[10.31 J2第28節 新潟2-1鹿島 東北電ス]

 4連覇が大きく遠のいた。首位・名古屋を勝ち点8差で追う2位鹿島アントラーズは新潟に1-2で痛恨の敗戦。残り6試合で首位との勝ち点差は今季最大の「11」に開き、逆転優勝は絶望的な状況となってしまった。

 FWマルキーニョスが出場停止明けで先発に戻り、システムも4-2-3-1から4-4-2に戻した。前節の横浜FM戦(2-0)で2アシストの活躍を見せたMF本山雅志はトップ下ではなく、サイドハーフで先発。代わってMF野沢拓也が今季初のベンチスタートとなった。

 立ち上がりから互いにブロックをつくって守備を固め、なかなかシュートまで持ち込めない。試合はこう着状態となり、前半を0-0で折り返した。

 しかし、後半に入ってゲームは大きく動き出す。後半開始3分、MFマルシオ・リシャルデスが豪快なミドルシュートを決め、新潟が先制。反撃に出る鹿島は後半開始から本山に代わって投入された野沢を起点にチャンスをうかがった。

 すると後半15分、DF新井場徹が野沢とのワンツーで右サイドから中央へ切れ込み、左足を振り抜く。これがゴール左上隅に吸い込まれる同点弾となり、試合を振り出しに戻した。

 逆転優勝へ引き分けでは終われない鹿島は勝ち越し点を目指して果敢に攻め込むが、1点が遠い。後半29分、右CKからFW興梠慎三が肩で押し込もうとするが、わずかにクロスバーの上へ。同38分にMFフェリペ・ガブリエルに代えてMF遠藤康、40分には興梠に代えてFW大迫勇也をピッチへ送り込み、2点目を狙いにいった。

 しかし、終了間際の後半44分、野沢のミドルシュートをGK東口順昭が弾いたところに大迫が詰めるも、東口が体を張ってセーブ。逆に後半ロスタイムに決勝点を許し、勝ち点3どころか、勝ち点1さえも逃してしまった。

 オリヴェイラ監督は試合後のインタビューで「次に向けて、勝つための努力をしていきたい」と、最後の望みを懸け、次節11月7日の名古屋戦へ臨む決意を口にした。勝てば残り5試合で勝ち点8差に戻せるが、負ければ14差に開き、事実上の終戦となる。

 名古屋の最短Vは11月14日。このままあっさりとタイトルを明け渡すわけにはいかない。追い詰められた王者がプライドに懸けて直接対決に挑む。

(文 片岡涼)

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