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首位攻防戦、鹿島が名古屋を撃破! 勝ち点差8に縮め次節の優勝を阻止!!!

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[11.7 J1第29節 鹿島1-0名古屋 カシマ]
 J1第29節の2日目が各地で行われ、県立カシマサッカースタジアムでは暫定3位の鹿島アントラーズと首位名古屋グランパスの大一番が行われた。名古屋は勝てば次節の優勝に王手、引き分けても、次節に勝利すれば、他クラブの結果次第で優勝という状況が作れたが、鹿島がエースFWマルキーニョスのゴールで1-0勝利し食い止めた。前節の2位をキープした鹿島はこれで勝ち点差を8に縮め、4連覇にわずかな望みをつなげた。
 鹿島は4-4-2を採用。フェリペ・ガブリエルが負傷かという情報もあったが先発。GKは曽ヶ端準、DFラインは右から新井場徹、岩政大樹、伊野波雅彦、ジウトン。ダブルボランチは中田浩二と小笠原満男が組み、2列目は野沢拓也とフェリペ・ガブリエルが入った。2トップは興梠慎三とマルキーニョスのコンビだった。
 対する名古屋は、右太腿痛のDF田中マルクス闘莉王がベンチ復帰を果たした。システムは4-3-3でGKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、千代反田充、増川隆洋、阿部翔平。中盤は逆三角形でアンカーにダニルソン、2列目に中村直志とマギヌンが入った。3トップは中央にケネディで右に小川佳純、左に玉田圭司が構えた。
 立ち上がり、やや鹿島がボールを回す。名古屋はカウンターを狙う流れとなったが、開始5分、上手くはまって好機を作った。中盤で中村がボールを奪い右前のスペースへ。これに小川が走り込んでドリブル突進すると、PA内ギリギリでジウトンに倒された。これを村上伸次主審はPKと判定。ジウトンに警告が出た。
 しかし、鹿島側はジウトンが倒したのはPAの外ではなかったかと抗議した。すぐさま村上主審がより見やすい位置にいた副審に確認したところ、副審もPA外だった判断。これによりPKではなく、名古屋のFKに変更された。これを玉田が得意の左足で直接狙ったが枠を外した。
 その後も鹿島がボール支配率でやや上回るが、バイタルエリアは崩せない。名古屋も奪ってカウンターを仕掛けるが、鹿島のチェックが速く思うように組み立てられなかった。そんな中で前半34分、再び名古屋がチャンスを得た。
 右サイドの田中が中央のケネディに縦パス。エースは上手いトラップから反転しDFを交わしてゴール前へ突進しようとした。PA内で鹿島選手に体を寄せられて倒されたようにも見えたが、村上主審はファールではなく、ケネディのシュミレーションと判断。エースにイエローカードが出された。
 鹿島は前半37分、ゴール正面約25mで野沢が左足で低く速いミドルシュートを放つ。枠を捉えていたが、GK楢崎のファインセーブに阻まれ、ゴールネットは揺らせなかった。その後は一進一退の攻防が続き、前半は0-0のままで折り返した。
 後半、鹿島はF・ガブリエルに代えてMF遠藤康を投入。遠藤は左MFに入った。後半も鹿島がショートパス、名古屋が奪ってからの速いカウンターという図式となった。同6分、鹿島は遠藤がドリブル突進。ダニルソンに倒されてゴール前でFKを得るが、ゴールにはつながらなかった。
 鹿島はボールは回してもなかなかゴールにつながらない時間が続く。だが、ついにエースがこじ開けた。後半14分、左サイドからジウトンがボールを奪って仕掛け、PA正面約23mの位置にいたマルキーニョスに丁寧な横パス。フリーだったエースは、ワントラップから右足一閃。低く速い弾丸ミドルをゴール左に突き刺して先制点をもたらした。
 名古屋は後半26分、ダニルソンが左サイドを突破してクロス。これを小川が頭で合わせようとするがミートせず、ファーサイドに流れた。敵地とはいえ、何としても優勝に王手をかけたい名古屋は同31分、同時に2枚のカードを切った。マギヌンに代えてDF田中マルクス闘莉王を、中村に代えてMFブルザノビッチを送り出した。闘莉王はCBではなく、1・5列目に入りゴールを狙った。
 その闘莉王が何度か攻撃の形を作った。後半36分、闘莉王は自らの落しから展開し、最後は左クロスを入れた。その2分後には右からのクロスにファーサイドから頭で折り返す。いずれもGK曽ヶ端にキャッチされたが、高さという持ち味を生かした。名古屋は後半38分、玉田に代えてFW杉本恵太を送り出した。
 鹿島は後半41分、マルキーニョスに代えてMF青木剛を投入。ボランチに入れて守備を固めた。直後、パワープレーに切り替えていた名古屋がビッグチャンスを作る。後半42分、PA右で得たFKをファーサイドに入れ、増川が頭で落とす。これをダニルソンがシュートを放ったが、枠を外してしまった。
 その後も名古屋のパワープレーが鹿島に襲い掛かる。後半45分、ハイボールをケネディが折り返し、最後は小川が頭を合わせたが、惜しくも枠を外した。ロスタイムは4分。鹿島も好機を作る。47分、小笠原のスルーパスにPA左から走り込んだ興梠がシュートを放つが枠を外した。鹿島は野沢に代えてDF大岩剛を投入。ハイボール対策を施した。
 それでも名古屋の高さは脅威だった。左からのクロスに増川が頭を合わせる。しかし、これは上に外れてゴールキックへ。これをGK曽ヶ端が蹴り込んだ瞬間に試合終了のホイッスル。ホームで鹿島が意地を見せて1-0勝利。勝ち点差を8に縮め、次節の名古屋の優勝を阻止した。
(取材・文 近藤安弘)

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