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[アジア大会]なでしこジャパンがアジア初制覇![レポート]

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 22日、第16回アジア競技大会女子サッカー決勝が行われ、日本は宿敵・北朝鮮を1-0で倒し、悲願のアジア初制覇を果たした。

 北朝鮮のスタイルはグループリーグでの戦いで分かっていた。前回の対戦を踏まえて、先手を取られないよう、積極的な攻撃を仕掛ける日本。7分、近賀ゆかりがトラップからシュートを試みるが惜しくもミートせず。続けざまに宮間あやから近賀、高瀬愛実へとコンビネーションを見せる。14分にも澤穂希から、持ち前のパスワークでつないで、最後は阪口夢穂がフィニッシュ。テンポよい攻撃で北朝鮮ゴールを脅かす。リズムがあるうちに先制点が欲しい日本だが、そこは北朝鮮も譲らず、早いプレスで対応する。

 北朝鮮はグループリーグ時よりボールをつなぐが、隙あらば両サイド奥、DF裏へのロングフィードを狙ってくる。25分を過ぎた頃には徐々に北朝鮮もペースを取り戻してきた。37分、KIM Yong Aeに裏を取られ、RI Ye Gyongに強烈なシュートを放たれる。GK山郷のぞみがかろうじて触り、こぼれたボールを上尾野辺めぐみがかき出した。

 スコアレスのまま試合は後半へ突入する。立ち上がりから北朝鮮に攻め込まれ、耐える時間帯が続く日本。最終ラインだけでなく、全員が体を投げ出してプレッシャーを与え、ゴールを死守する。67分、ようやく近賀が起点となって、高瀬へボールが入るが、背後へ走り込んだ宮間には通らず。しかし73分、日本に待望のゴールが生まれる。宮間からのCKをフリーになった岩清水梓がヘディングでゴール。その後、北朝鮮の猛攻が始まるが、先制したことで、落ち着きを取り戻した日本は北朝鮮の繰り出すロングボールも的確に処理をしていく。長く感じる4分のロスタイムも乗り切り、悲願のアジア制覇を成し遂げた。

「代表になって17年、やっとアジアの頂点に立つことができた。感極まりました」としみじみ語ったのは澤。初めて表彰台の中央に立った選手たちの胸には、その笑顔と同じく、金色のメダルが輝いていた。

(取材・文 早草紀子)

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