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[選手権]福島決勝戦評:尚志-福島工

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[高校選手権予選戦評]
全国V狙う尚志、大苦戦も屈さず

[ 全国高校選手権福島決勝 尚志 1-0 福島工 Jヴィレッジ]

 第89回全国高校サッカー選手権福島県大会決勝は尚志と福島工が対戦。昨年度の全国経験者10人を擁するなど全国Vを狙う尚志が1-0で勝ち、2年連続4回目の全国大会出場を決めた。  

 J注目のエースFW渡部圭祐と技巧派FW川辺祥太の2トップ、ともに3戦連発中の10番MF平野伊吹主将を右MF、MF湯浅秀紀を左MFに配置する尚志は4-4-2システム。準決勝までの3試合で14得点をたたき出すなどライバルたちを圧倒して勝ち上がってきた。一方、13年ぶりの優勝を目指す福島工は本来の4-4-2ではなくMF山崎琢也をアンカーに据えた4-1-4-1システムで試合に臨んだ。

 福島工のこの戦略は成功。局面で常に数的優位をつくる福島工の前に尚志のパスサッカーは沈黙した。縦への楔を入れようとする尚志のパスをCB横井匠とCB阿部友樹が鋭くつめるなど、バイタルエリアで相手に自由を与えなかった福島工は確実に自陣でボールを奪うと、11分にはカウンターから1トップの若松奨平が右足シュート。また好守を見せた山崎がドリブル突破を繰り出し、右足ミドルを放つなどアクセントとなった。

 35分にも相手スローインをインターセプトしたMF本田聡太朗がそのまま右足シュートへ持ち込むなど、福島工は好守とロングボールを生かした攻撃により、流れのいい展開のまま前半を終える。対する尚志は得意のサイド攻撃を寸断されたままで、前半36分にCB太田祐樹の思い切った左足ミドルまでシュートゼロだった。

 それでも後半、今大会初出場のFW鈴木拓磨を投入した尚志は11分、2年生MF金田一樹のサイドチェンジから渡部が右クロス。鈴木が頭で流すとファーサイドでフリーとなった湯浅がゴール左ポスト直撃の左足シュートを放った。尚志はさらに16分、プリンスリーグ東北1部で青森山田から2得点を挙げているFW遠藤大輝をピッチへ送り出す。50m走5秒9の快足を持つ渡部を右サイド、平野をトップ下へ移行させてゴールをこじ開けにいった。

 福島工も18分に右膝負傷の10番FW高橋陽介を投入し、活性化を図った。両チームが攻撃カードを切り、テンポが上がった試合のスコアが動いたのは後半29分だった。尚志は渡部が獲得した右CKを湯浅が左足で低い弾道のボールを蹴りこむと、太田が右足でしぶとく押し込み先制。パワープレーを仕掛けてきた福島工の反撃を封じ、この1点をGK山澤孝太中心に守った尚志が1-0で勝ち、全国切符を獲得した。

[尚志の先発布陣]
4-4-2

   渡部  川辺

湯浅        平野
     
   金田(2) 細野

三瓶 大貫(2) 太田 田中 

     山澤

 
(文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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