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アジア杯メンバーは北京世代以下が15人に、ザック「若返りを図る」

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 世代交代と結果の両立を目指す。1月7日にカタールで開幕するアジア杯に臨む日本代表メンバー23人が24日、発表され、フレッシュな顔触れが並んだ(メンバーはコチラ)。

 FW李忠成(広島)がA代表初選出となったほか、MF柏木陽介(浦和)、DF吉田麻也(VVV)が1月6日のアジア杯予選・イエメン戦以来、1年ぶりとなる代表復帰を果たし、南アフリカW杯サポートメンバーのDF酒井高徳(新潟)も半年ぶりの代表招集となった。

 また、DF岩政大樹(鹿島)、MF藤本淳吾(清水)の2人も原博実技術委員長が監督代行を務めた9月のパラグアイ戦、グアテマラ戦以来の復帰を果たした。

 “ザック色”が現れたのは特に前者の4人だろう。25歳の李、23歳の柏木、22歳の吉田、そして19歳の酒井。李、柏木、吉田の北京五輪世代(柏木は五輪本大会メンバーからは落選)と酒井のロンドン五輪世代を合わせると、登録メンバー23人のうち実に15人(北京世代12人、ロンドン世代3人)を占めている(南アフリカW杯では23人中5人だった)。

 アルベルト・ザッケローニ監督は選考基準として「選手の才能やタレント性、チームとしてプレーできること、そしてフィジカルコンディション」を挙げ、「もうひとつのポイントとして若い選手、伸びしろのある選手を入れた」と強調。「アジア杯は結果も大切だが、日本のサッカーがアジア杯で終わるわけではない。2014年のW杯に向けて、いい準備をするためにも、若い選手を抜擢し、若返りを図って、若い選手がもっといい選手になるように成長を促したい」と、世代交代の場として位置付けた。

 自国開催以外のW杯で初の16強入りを果たした南アフリカW杯のレギュラーからは、負傷などもあり、FW大久保嘉人(神戸)、MF阿部勇樹(レスター・シティ)、DF中澤佑二(横浜FM)、DF田中マルクス闘莉王(名古屋)、DF駒野友一(磐田)の5人が抜けた。大きく様変わりした新生・日本代表が臨むW杯後初の公式大会では、世代交代と結果の2つが求められてくる。

 原技術委員長は「当然、タイトルを目指してやってもらいたい。3位以内に入ると、次回大会の予選が免除になる。まずは3位以内に入ってくれれば、これからの強化はやりやすくなる」と前置きした上で、具体的なノルマは設定しなかった。「何位というより、来年始まるW杯予選に向けて、いい準備をするためにも、1試合でも多く、タイトルを目指してやってほしい」と語った。

 ザッケローニ監督も「目標は当然、上を目指すこと。フィジカルコンディションや相手によっても変わってくるが、いかなる状況でも上を目指すことを忘れてはいけない」と話すが、結果だけを求める大会にするつもりはない。「2010年から続けている成長を止めてはいけない。若い選手を入れながら強化していきたい。結果と成長が大切なテーマ」と掲げた。

 「1ヵ月という長い期間、一緒に活動できるので、そこで若い選手に私の考えを伝えていきたい。若い選手にそんなに負担はかけたくない。Jリーグでこれまでやってきた実力を出してほしい。国際経験豊富な選手たちの近くでいろいろ学んで、成長を早めてもらいたい。才能はJリーグで十分に発揮しているし、そこに疑問はない。しかし、真のサッカー選手になるためには経験も必要。こういう大会を経験することで成長してほしい」

 4年後を見据えた新たな才能の発掘、若手のさらなる成長。アジア杯でそれを達成できたとき、「2014年のW杯で主役を演じること」という最終目標に近づくはずだ。

▼アジア杯メンバーはコチラ

(取材・文 西山紘平)

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