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[大学選手権]SB転向1年目の関大・櫻内が決勝アシスト

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 関西大 2-1 筑波大 平塚]

 決勝ゴールはSB転向1年目の男の右足から生まれた。1-1の後半39分、関西大はジュビロ磐田加入内定のFW金園英学(4年)がポストプレーから右サイドへはたく。ゴール前に何人もの選手がなだれ込む中で「キャプテンと目が合った。GKとDFの間に入れれば飛び込んでくれると思った。クロスというよりもパスを送ろうと思っていた」というSB櫻内渚(3年)が弾道の低いラストパスを送ると、その期待通りにFW藤澤典隆主将(4年)が頭から飛び込み、決勝ゴールを決めた。

 「自分でもビックリ」と驚いていた完璧なアシスト。決勝ゴールをお膳立てした櫻内がSBへ転向したのは、今年に入ってからだった。昨年はCBのレギュラーとして全日本大学選手権に出場し、今年3月の全日本大学選抜合宿にも招集された。だがその合宿で初めてSBを務め、そのままチームでもSBでプレー。「CBとしては自分は上背がない。でも運動量、走ることは得意。それでSBとしてプレーした。まだ攻撃に自信はないけど、きょうもタイミングがよければいこうと思っていた」。

 そして試合を決める絶妙アシスト。ゴールを決めた藤澤主将は「ナギ(櫻内)にはああいう形で上がってきたらいつも折り返せと言っているんです。でも本当に折り返してきたのはきょうが初めて」と笑顔で後輩SBの好プレーを讃えていた。

 決勝は11年1月5日、東京・国立競技場で開催される。櫻内にとっては作陽高(岡山)時代の06年度全国高校選手権以来となる国立決勝(大学日韓戦でも国立を経験)。当時は盛岡商高(岩手)に1-2で敗れたがこの日“攻撃的SB”として結果を残したDFは「次こそ日本一」と宣言した。

(取材・文 吉田太郎)
第59回大学選手権特集

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