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[大学選手権]筑波大敗れ、関東勢25年ぶりに4強で全滅

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 関西大 2-1 筑波大 平塚]

 筑波大は後半34分からの2失点で逆転負け。03年度以来となる日本一の夢は準決勝で潰えた。

 元日本代表MFの風間八宏監督も「(後半は)ボールをとっても全くつなげない。失って相手の攻撃になるばかりじゃサッカーにならない」と振り返ったが、先制しながら試合を決めきることができなかった。この日累積警告により、準々決勝2ゴールの1年生FW赤崎秀平が出場停止。また準々決勝で右わき腹を負傷したSB原田圭輔(4年、ベガルタ仙台加入内定)もコンディションが戻らず先発を外れた。その中で臨んだ一戦はCB須藤壮史主将(4年)をアンカーの位置に配置。前半37分にはその須藤主将が敵陣中央でDF2人を外して前方のMF八反田康平(3年)へ縦パス。これを受けた八反田が体勢を崩しながら左前方のFW瀬沼優司(2年)へスルーパスを通すと、今大会初先発の瀬沼がGKとの1対1を右足で決めて先制した。

 だが、突き放すことができない。後半は攻勢に出た関西大の前に押し込まれる時間が長くなった。ボールを失わずにゴールまでつなぐサッカーを表現してきたチームが、簡単にボールを失ってしまう。それでも10分には横の揺さぶりから八反田が決定的な左足シュートを放ち、20分には瀬沼がビッグチャンスを迎えた。
 そして後半30分には、PAでの混戦から最後は強引に中央を抜け出した途中出場のFW曽我敬紀(2年)がGKと1対1に。ただ、このシュートは関西大GK金谷和幸(1年)の好守に阻まれた。そしてその後に連続失点。瀬沼は「(先制点は取ることができたが)他に何回かあったチャンスをボクが決められなかった。だからこういう結果になってしまったと思います」と敗戦の責任を全て背負うかのように表情を曇らせ、そして唇を噛んだ。

 磨いてきた技術で同じく技術を前面に押し出すスタイルの関大を凌駕することができなかった。「1年間必死にやっている先輩たちを見てきた。勝って決勝にいきたかった」と瀬沼。関東勢が決勝へ進出できなかったのは1985年度大会以来25年ぶりとなった。9年連続で栄冠を獲得してきた関東勢が優勝を逃すのも10年ぶり。名門・筑波大、そして関東勢復権のために努力する、新しい日々が始まる。

(取材・文 吉田太郎)
第59回大学選手権特集

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