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[MOM382]静岡学園MF利根瑠偉(3年)_突破口が「仕掛ける勇気」で流れ変える

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 静岡学園 2-0 米子北 等々力]

 前半、静岡学園(静岡)には「仕掛ける勇気」が欠けていた。ボールを持つことはできたものの、米子北(鳥取)のカウンターを警戒するあまり“らしからぬ”後ろ向きのパスを多発。逆にいつも通りエースFW谷尾昂也(3年)へロングボールを集めてくる米子北は徐々に圧力を強めてきていた。

 その攻勢を止めたのは静岡学園の左FW利根瑠偉(3年)だった。27分、絶妙な身のこなしで相手のマークを外すと左サイドを独走。そして中央へ鋭いグラウンダークロスを送るとファーサイドでフリーとなっていた右FW廣渡剛太(3年)が右足でゴールへと流し込んだ。後方からのパスをDFを背負ったまま後ろ向きにトラップするのではなく、スルーすることで局面を一気にビッグチャンスへと変えた。この鮮やかな突破が米子北へ傾きかけた試合の流れを静岡学園へと傾けた。

 利根は前半3分に左サイドのタッチライン際を快走。寄せてくるDF3人を鮮やかに外してMF片井拓己(3年)の決定的なシュートへとつなげた。これで「いける」と確信していた。「自分はドリブルが得意。仕掛けようと心がけていた」と利根。川口修監督もこの試合で静学らしいプレーをしていた選手として利根の名を挙げていたが、前半、後ろ向きのプレーをする選手が多い中で果敢に前を向き続けたドリブラーが静岡学園に勝利を引き寄せた。

 7月のプリンスリーグ東海1部名古屋U18戦を最後に3ヵ月公式戦の出場機会を得られなかった。それが高校生活最後の公式戦である全国高校選手権初戦で先発の座を勝ち取った。きっかけは高円宮杯全日本ユース選手権準決勝広島ユース戦。3ヵ月ぶりに公式戦のピッチに立ったFWは優勝した広島ユースから前半だけで2ゴールをたたき出した。出場機会を得られなかった間「ずっとドリブルの練習をやってチャンスが来たら結果を残そうと思っていた」という利根はドリブル、そしてゴールで結果を残した。

 この試合でも先制アシストで結果を残した。ただ激しいポジション争いの中で定位置死守を目指す本人は「予選からまだ自分は点を取っていない。きょうも中央へ切れ込んでシュートできていない。次はゴールを狙う。意識していきたい」と力をこめた。最後に「(出場停止で出られない)大島のためにも勝とうというのがあった」と明かした利根。11年1月2日の2回戦、ゲームメーカーの復帰でより多く回ってくるであろうパスを利根はドリブル、そしてシュートでゴールへと結びつける。

(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
(文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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