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[選手権]久御山が座間に一度は追いつかれるも突き放し、3回戦進出!!

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[1.2 全国高校選手権2回戦 座間1-2久御山 等々力]

 第89回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に各地で行われた。神奈川・川崎市等々力陸上競技場では、地元・座間(神奈川)と久御山(京都)が対戦。久御山が2-1で勝利し、3回戦へ駒を進めた。

 初戦でプレミアリーグ・アーセナル入団内定のFW宮市亮(3年)が率いる中京大中京高(愛知)を4-2で撃破した久御山だったが、2回戦は押し込まれる苦しいスタートを切った。開始わずか34秒、MF坂本尚哉(3年)にミドルシュートを許す。これはわずかにポスト左へ外れたが、その後も立て続けにFW今野鷹輔(3年)らにシュートを打たれ、攻め込まれた。

 それでも前半15分、一瞬の隙をつきサイドから攻めにかかるとDF山田修市(3年)の左クロスをFW安川集治(3年)がPA内で胸トラップ。右に流れたボールをFW坂本樹是(3年)が右足で流し込み先制点を決めた。

 しかし、1点リードで迎えた後半は、試合後に松本悟監督が「1点リードで勝ちを意識してしまった」と話した通りの展開になってしまった。

 前半よりもどこか守備に意識が傾き、思い切りの良いプレーが少なくなっていった。すると後半16分、左サイドをドリブルで駆け上がってきた座間のDF赤平靖晟(2年)をDF山本大地(3年)が倒してしまい、PKを献上。これをMF伊能篤志(3年)に決められ、同点に追いつかれた。

 ゲームは振り出しに戻されたが直後の後半18分、セットプレーから再び座間を突き放す起死回生弾が生まれた。MF足立拓眞(3年)の右CKからのボールに合わせたのはDF塚本健介(2年)。絶妙なボールにニアサイドで頭一つ抜け出すと、強烈に左サイドネットに叩き込んだ。

 試合後、決勝弾をアシストした足立は「中京に勝って自信は満々だった」と話したが、松本監督は「この上を狙うなら中京さんとやった時の心境でやらないと」と一言。中京大中京高戦ではどんなにリードを奪っても、最後の最後まで全員が勝利を意識することはなく、必死に攻めにいったが、この日は1点先制後、選手たちは守りに入ってしまった。「あわよくば1-0で勝とうなんて、そんな相手じゃない。反省して次へ向けてじっくり準備していきたい」と松本監督は次戦へ向けて語った。

 勝利した久御山だが、開会式で“パフォーマンス”を行ったところ、だらしがない、行儀が悪いと大会関係者から叱責され、チームミーティングでは監督からカミナリを落とされた。この日も、もちろん2得点の場面にもゴールパフォーマンスは封印。大会開幕前は色々なパフォーマンスを考えていた選手たちも「開会式でああいうことがあったので……」と苦笑い。それでも、実力を示し勝ち進めば、ゴール後には選手みんなで大盛り上がりする“本当の”久御山の姿が見せられるはず。まずは明日3日に行われる3回戦でしっかり勝利し、同校初の8強進出を果たしたい。

[写真]決勝弾を決めた塚本が拳を突き上げる

(取材・文 片岡涼)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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