[1.5 全日本大学選手権決勝 中京大1-2関西大 国立]

　「シルバーコレクターになっちゃったよ」試合後に中京大の西ヶ谷隆之監督は思わず、こうつぶやいていた。

　今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントに引き続いての準優勝。当時も延長戦の末に駒澤大に2-3で敗れていた。そして、今回も1-1でもつれ込んだ延長戦の末に1-2での敗戦。またしても、あと一歩のところでタイトルを逃してしまった。

　これにはFW齋藤和樹(4年)も「夏も延長戦で負けて、今回も……我慢ができなかった」と唇を噛んだ。

　DF中田智久(3年・神戸)やDF須崎恭平(1年・磐田)ら、元Jリーガーを最終ラインに揃え、相手や展開によってシステムを変えてきた。この日も立ち上がりは4-4-2だったが、1点ビハインドで迎えた後半12分に須崎に代えてMF中村亮太(2年)を入れると3-4-3へシステムを変更。同点に追いついた延長戦からは再び4バックへ戻すなど、様々な戦術を駆使した。このようなことができるのも、戦術理解度の高い選手たちが揃っている証だ。

　西ヶ谷監督が就任しての1年目だったシーズン、選手たちは必死に新しい「中京大スタイル」をものにしようと練習に励んできた。その結果が二度の準優勝。選手たちは「悔しすぎます」と口にした。

　来季は現在の主力メンバーから、齋藤をはじめ、DF森本良(4年)やMF星野悟(4年)ら4年生が抜けるが、堅守を誇った守備陣の多くには来季、再びチャレンジする権利は残されている。二度の準優勝に泣いた悔しさを胸に、後輩たちが中京大のサッカーで、日本一の座につけることを証明してみせるつもりだ。

(取材・文　片岡涼)

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第59回大学選手権特集