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日本vs韓国 試合後の選手コメント

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[1.25 アジア杯準決勝 日本2-2(PK3-0)韓国 アルガラファ]

 日本代表は25日、アジア杯準決勝で韓国代表と対戦。延長後半15分に2-2の同点に追い付かれ、PK戦に突入したが、GK川島永嗣が2本セーブする活躍を見せ、PK3-0で勝った。
以下、試合後の選手コメント

●FW前田遼一(磐田)
「いい時間帯に取れたけど、もう1つチャンスがあったので決めたかった」
―前半はサイドから崩せていたが、後半の監督の指示は?
「しっかりキープしろという指示はあった」
―得点シーンは?
「(長友)佑都が相手を完全に引き付けて、中は完全に1対1だったので、タイミングをずらしたらボールが来ると思っていた。いいボールをくれたので、決めるだけだった」
―いい時間帯に点を取ったが?
「もう1点取る力がなかったのが悔しい」
―後半のプレーイメージは?
「我慢比べという感じだったので、辛抱して戦おうと思っていた」
―10月の対戦と比べて感触は?
「パク・ジュヨンの欠場が大きかったと思う」
―優勝に必要なことは?
「みんなが同じ考えを持って、チーム一丸になることだと思う。いい時間もあったけど、悪い時間もあったので、そこを修正したい」
―得点王は?
「もう2点くらい取らないと」

●FW岡崎慎司(清水)
「最後はみんなバテてしまって、前にはいけなかったけど、どこかでキープできれば最後の失点はなかったと思うし、僕らにも責任はあると思う」
―前半は両サイドから攻めていたが、後半は相手がふさいできた?
「戻りも早くなってチャンスも少なくなった。ただ、その中でもチャンスはあって、自分も決められるものが何本かあったので決めたかった。試合全体を見ても、自分にチャンスはあった」
―後半の戦い方は?
「まずは中央をやられないようにやりながら、僕らはどこかで打開できるチームなのでチャンスを虎視眈々と狙いながら相手にペースを握られないようにしっかりとセカンドボールも狙っていた。苦しいときも耐えられるようになったのは収穫だと思う」
―5バックに変わり、前の2トップはかなり走っていたが?
「大変だったけど、2トップは元々やっている形だし、あの時間帯ではキツかったけど、あの時間に点が取れていれば勝てていたので取りたかった」
―同点に追いつかれたときの心境は?
「正直、ガックリきたけど、(川島)永嗣さんが止めてくれたのが一番大きかった。僕らも信頼してPKを蹴ることができた」
―PKは志願したのか?
「監督が全部決めた。決められて良かった」
―延長戦でPKをもらった場面は?
「とりあえず(本田)圭佑に預けて、自分が前に出ればチャンスは生まれる。それは圭佑と常に話しているし、あそこは狙うべきところ。判定に関しては分からないけど、倒されたことは事実」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―先制されても負けない強さがある。
「ビッグチャンスは毎回つくれているし、先制点を与えるのは良くないけど、落ち着いてやれば十分逆転できる。落ち着いてできるのはチームが力を付けてきたからだと思う。ただ、90分を通して常にリードして自分たちのサッカーをしたいとは思っている」
―後半途中からアンカーに入ったが?
「守備はセカンドボールへの対応。攻撃では起点となって、ゲームを落ち着かせようと」
―最後は5バックになったが?
「5バックになった時点でパワープレーへの対応というのは感じていた。ただ、5バックだと中盤が少なくなるし、高い位置でプレスをかけられなかった。そこはもう少し話し合っていきたい。オーストラリアもロングボールが多い。そこを考えながら対応したい」
―韓国に疲労は感じた?
「最初の5分ぐらいは来ないなと。疲れていたと思う。今日の相手なら、前半で勝負を決めないといけない」
―PK戦になったときは?
「みんな決勝に行きたいという強い気持ちを持っていた。(長友)佑都とか今ちゃん(今野)とか、普段あまり蹴らない選手もいた。佑都は外したけど、(川島)永嗣が止めてくれたし」
―自分は5番目だった?
「5人目だった。PK戦で自分が蹴らないで終わるのは初めて。自分が蹴らないで勝てるのが一番だけど、自分に(順番が)来ても決める自信はあった」
―PK戦のときチームメイトに声をかけていたが?
「自信を持って蹴ろう。外したら、それはしょうがない。それよりも迷いながら蹴る方が良くない、ということを言った」
―延長戦で本田にPKを譲ったのは?
「自分が蹴っても良かったけど、(本田)圭佑も得点が欲しい状況だと思うから。次あれば、自分も蹴りたいなとは思っている」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―途中交代だったのは?
「足が全部つった感じで。情けないですね」
―PK戦の間は?
「ほんとに祈るしかなかった。もちろん自分も蹴りたかったけど、(川島)永嗣がやってくれると思っていたし、みんな落ち着いていた。先攻だったし。試合前も延長戦の前も僕がコイントスに負けていた。ヤットさん(遠藤)が先攻を取ってくれてよかった。PKは先攻のチームがいいから」
―立ち上がりは?
「韓国がもっと来るかなと思ったけど、疲れていたのか、足が重いなと。前半もうちょっと決めていれば、楽になったかなと思う。日本も延長に入ってからみんなきつくなったけど、『韓国はもっと疲れているんだから、俺らはもっと走れるだろ』と言いながらやっていた」
―審判のジャッジについては?
「PKはおあいこだし、今日に関してはレフェリングはしょうがないかなという感じ」
―細貝が入ってシステムが変わったが?
「守備的に行くのかなという感じはした。(香川)真司に代えて(細貝)萌だったし。しっかり守備をしてから攻めに行くのかなと」
―苦しい試合だった。
「苦しい時間帯もあったけど、そんなにやられている感じはなかった。決定的な形も覚えてないぐらい。逆にうちは決定的なチャンスがあったし、そこを決めていればもっと楽になったと思う」
―次は決勝だが?
「アジアの大会は楽じゃないなと感じているけど、チームだけでなく、スタッフ含めて1つになっている。最後勝って、みんなで喜んで終わりたい」
―優勝のために大事なことは?
「ここまで来たら総力戦。11人だけでなく、選手全員でやりたい」

●MF細貝萌(アウクスブルク)
―1-1の状況での投入だったが?
「どういう状況で出ても、行ける準備をしていた。前半にアップをしてから、一度も座らずにアップをしていた。出番はあるかなと思っていた。入ってすぐ息が上がったし、もう少し落ち着いてつなぎたかった」
―ゴールシーンは?
「(PKが)そのまま入るのがベストだけど、こぼれてきたところを狙おうと思っていた。そこで決められたのは良かったけど、最後、守り切れなかったのは課題。個人的な課題も多かった」
―詰めるのが早かった。
「ホンディー(本田圭)の助走に合わせて、自分もエリアの外から助走をつけて走った。韓国の選手より少しでも早く詰めようと。それがたまたま自分のところに来た」
―代表初ゴールだが?
「日本代表の一員として少しは力になれたのかなと、数字だけを見れば思う。素直にうれしいし、チームがこういう大きな大会で勝てたことが大事」
―前から自分は「持っている」と言っていたが?
「自分はどちらかというと、これまでも運でやってきている。自分にこぼれてきて良かった」
―本田からは何か言われた?
「試合が終わってから『プレゼントしてやったぞ』と言われた(笑)」

●MF本田拓也(鹿島)
―5バックの練習はやっていた?
「僕が来てからはやってない。(年末の)国内合宿は分からないけど。相手にデカイのが入ってきたので、イノ(伊野波)とかを入れて守るんだなと。やることはハッキリしているので」
―2失点目の場面は?
「みんなも体を入れにいっていたけど、ごちゃごちゃして見えないところもあった。あと一歩のところで寄せ切れなかった。そこはJリーグとアジアの差なのかなと。精神的にはきつかった。自分が入って、追い付かれたので。でもみんなで声を出して、しゃべって切り替えた。PK戦の間はヤットさん(遠藤)がずっと声をかけていた」

●DF今野泰幸(F東京)
―自分がPKを決めて勝った。
「チームとして勝ちたかったし、僕が決めれば勝てる状況だった。(川島)永嗣が止めてくれていたし、決めれば僕で終わるというのは分かっていた。気持ちを込めて蹴った。永嗣が止めてくれたので、プレッシャーもなく……。いや、プレッシャーはあったけど、楽にさせてくれた。永嗣のおかげです」
―立ち上がりは韓国の動きも重かった?
「個々の能力は高かったし、個々プラス組織的なボール回しとか、2人目、3人目の動きとか、今までにない攻撃パターンがあった。集中を切らしちゃいけないと思っていた」
―PKを与えた場面は?
「ファウルしないで有名な俺なので。あれを取られちゃうと……。主審には『ボールを見てなかった』と言われたけど、ちゃんと見ていたし、ゴールラインを使ってゴールキックにしようと思った。アジアのレフェリーは難しいと思ったし、今大会、自分のファウルは少なかったと思うけど、あれをPKにしちゃいけない。反省材料です」
―すぐに切り替えられた?
「個人的に落ちてしまった。でも、すぐに(前田)遼一さんが取ってくれて、1失点目は忘れて、0-0の状況だと思ってやった。相手は前に出てくるけど、こっちもカウンターのパターンを持っているし、チャンスをつくってくれると信じてやっていた」
―細貝が入ってシステムを相手に合わせたが?
「(香川)真司のところでタメができていたし、仕掛けもできていので、そこがいなくなったのは……。でも、それ以外の選手も良かったし、遼一さんとかがキープしてくれて、攻撃の時間をつくってくれていた。それで後ろも守れていた」
―最後は相手のパワープレーに来たが?
「このままやろうかと思っていたけど、監督の指示で3というか5バックにして、こぼれ球を拾おうとしたけど。あの1本だけ、全体が引き過ぎて、みんなゴールだけを守ろうとしてしまった。バイタルが空いて、セカンドボールを拾われて、付き切れなかった」

●DF長友佑都(チェゼーナ)
「決勝に向けて準備をしないといけないけど、今日の勝利は素直にうれしい。韓国は思った以上に来なかったので、僕らは上手く回して得点にも結び付いた。特に前半はいいサッカーができた。後半はちょっと引き過ぎた。向こうが最後に大きい選手を入れたときに、みんなが引きすぎて危ない場面が多かった。あそこは修正していかないと」
―後半途中から細貝が入って形が変わったが?
「3ボランチで(細貝)萌がサイドやバイタルを抑えることが多くなり、僕らとしてはやりやすくなったし、楽になった。良かったと思う」
―最後は向こうがパワープレーに来た?
「危ないシーンが多かったので、どうなるか分からなかった。最後の失点は明らかにいらなかった。PKなしで勝ちたかったから残念」
―PKを外したが?
「まあ、ね(苦笑)。でも、こういう緊迫した試合で蹴れたことは絶対に財産になる。僕はまだまだ成長できるという確信を持っている。みんなに感謝します」
―PKの順番は?
「監督が決めた。緊張はしなかったけど、力が思い切り入った。まあ、財産になる。みんなに恩返しがしたい。日本の皆さんもヒヤヒヤしたと思うし、また勝利に貢献して、優勝して恩返ししたい」
―優勝に必要なことは?
「ここからはメンタルが一番大事。今日もお互いきつい場面が多かったし、最後まで体を張れたことが勝利につながった。ここまで来たら体は厳しいので、メンタルの勝負になると思う」
―アジアのレフェリングに苦労している?
「ちょっと体が当たっただけでファウルになったり、DFとしてはすごい怖かった。PA内もそうだし。徐々には慣れてきているので、ファウルしないように気をつけたい」
―韓国に勝てたことは?
「自信になる。去年はチンチンにされて負けて、正直、手も足も出ない状況で韓国との差を感じていたけど、W杯が終わって、1人1人が経験を積んで、海外でやっている選手も増えて、自信を持ってやれている。今の代表はどんどん良くなっているし、若い選手が伸びているので、このまま努力していけば素晴らしいチームになると思う」
―優勝すればさらに良くなる?
「形になるし、自信になる。ただ、岡田さんの走るサッカーもみんなで意識してやっているし、それが土台になっている。そこにプラスして戦術が生きてきている。これを続けていきたい」
―先制ゴールのアシストは?
「あれは狙っていた。チャ・ドゥリが(香川)真司に食いつくのは試合前にもミーティングでも言われていたし、タイミングを見ながら出れたのは良かった」
―本田、香川との連係は?
「あいつらは前を向いてくれるし、そのチャンスを逃さない。前を向いてくれるから僕らも前に出られる。いい循環になっている。楽しいし、やりやすい」

●DF内田篤人(シャルケ04)
―すごい試合だった。
「長いよ。90分だよ、サッカーは」
―サイドを上手く突けた?
「ミーティングで向こうのサイド、特に反対サイドがルーズだから、向こうから行くという話をしていた。長友さんが上がったら自分はバランスを取ろうと思っていた。狙い通りだったし、思ったよりもルーズだった」
―韓国は疲れている感じだった?
「前半やってみて、出足も遅くて、疲れていたのかなとは思った。前半に2、3点目を取れれば、内容は楽になったと思う」
―後半、向こうに流れがいったのは?
「ちょっと落ち着いて、向こうも体が動いて、自分たちが受け身になった。前半はゴールに向かうパス、動きがあったけど、後半はちょっと違うボール回しになった」
―延長戦の戦い方は?
「イエローカードをもらって、ちょっと厳しく行けなくなった。僕を含めてDFラインのうち3人がもらっていたから。(主審の)基準がハッキリしてないので。基準がハッキリしていればやれるけど。ドイツは何してもファウルにならない。まあ、そういうのも経験です。危ない場面で、最後のFKもそうだけど、ああいう位置で厳しく行くのか、行かないのか。日本人はそれほど背の大きい人間じゃない。無駄なファウルはしたくない」
―最後は5バックになったが?
「5枚並べて、その前に3枚。放り込みのセカンドボールを拾う狙いだった。やられちゃったけど。練習もあんまりやってなかった」
―最後に追い付かれたときは?
「みんなガクンと来ていた。そのままだとPK戦にまでつながるから、顔を上げていこうよという話をした」
―PK戦になったときの雰囲気は?
「あまり覚えてないけど、(川島)永嗣さんがやるからっていう雰囲気は少しあった。逆サイドのちっちゃいお兄ちゃん(長友)が外したけど(笑)。最後までベンチのみんなも声を出していた。大事なのは次。最後負けたら、ここで負けるのと一緒」

●DF伊野波雅彦(鹿島)
―自分が入ってから5バックに変わったが?
「残り15分は5バックでやるとは言われていたけど、まさか(前田)遼一くんと代わるとは思わなかった。練習ではやってなかった。(岩政)大樹さんを真ん中にして、両サイドを下げて5-3-2で」
―ピッチの中は混乱しなかった?
「最初、伝わらなくて。やったことない形で、聞いてない話だったから。僕は分かっていたけど、伝わるのに時間がかかった。大樹さんが競ったあとのこぼれ球に重点を置いてということだった」
―追い付かれたときは?
「守るために入った選手なので、その役割を果たせなかったのは狙いから外れているということだし……。でも勝てたので。それがすべてだと思う」

●GK川島永嗣(リールス)
―最後はPK戦になったが?
「ここまで見てきて、何が起きてもおかしくないと思っていた。失点しないことが一番だけど、ああいう形で失点しても切り替えて、自分たちのリズムを崩さず、いい形で得点につなげていけた」
―PK戦になったときは?
「フィールドの選手があれだけ体を張ってやってくれていた。最後に失点したけど、最後は自分がやる番だと思った」
―PKは自信があった?
「自信とかを考える前に、止めることしか考えてなかった」
―1本目を止めたのが大きかった。
「1本目を止めることができれば、いい形でいけると思った。最後に失点して流れも良くなかったし、こっちが先に点を取った時点で、自分が止めれば、いい流れになると思った」
―W杯のパラグアイ戦から変わったことは?
「変えたことは特にないけど、冷静にできたかなと思う」
―決勝に向けては?
「ここまで厳しいゲームを乗り越えてきて、次勝たないと意味がない」
―毎試合のようにDFラインが変わっているが?
「常に変わることで、多少の違いはあるけど、お互いに話したり、カバーしたりできている」
―5バックになって混乱した?
「みんなで話していたし、それはなかった。ただ、前からボールを追えなくなって、受け身になり過ぎた」
―最後に今野が自分に向かって走ってきたときは?
「あれだけ体を張ってくれているし、同じ気持ちで戦っている。僕らだけでなく、そういうところがこのチームの強さだと思う。今ちゃんの誕生日がいい誕生日になって良かった」

(取材・文 西山紘平)

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