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原点回帰の赤・赤・赤で全冠狙う鹿島、本田「伝統を引き継ぐ」

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 原点回帰で王者奪回を目指す。鹿島アントラーズは3日、カシマスタジアムで新体制発表を行い、移籍加入したDF西大伍(←新潟)、MF本田拓也(←清水)、DFアレックス(←千葉)、FWカルロン(←ウニオン・レイリア)が記者会見に臨んだ。

 クラブ創設20周年となる今シーズン、クラブは積極的な補強で各ポジションを強化した。例年、選手の入れ替えが少ない鹿島だが、今オフは11人がチームを離れ、10人が加入・復帰。井畑滋社長は「99年以来の大幅な入れ替え。新たなサイクルに入る今季、ポイント補強でポジション争いを活性化させた」と強調し、「勝ちながら世代交代を進め、すべてのタイトルを目指す」と宣言した。

 ユニフォームも一新された。20周年を記念し、初代ユニフォームと同様、シャツ、パンツ、ソックスすべてを赤、赤、赤で統一。初代モデルのユニフォームで右肩から左脇にかけて描かれていた「ダイアゴナル(斜め)ライン」も復活し、鹿が戦闘体勢に入る際に枝角を下ろす姿を表現している。

 原点を忘れず、14のタイトルを手にしてきた伝統を継承し、さらなる未来へつなげる。そのカギを握るのが、新たに移籍加入した4人だ。鹿島について口々に「伝統」「歴史」「重み」という言葉を繰り返した新戦力は、その表情に緊張の色も浮かべながら、新シーズンへの決意を口にした。

 西は「チームの目標であるすべてのタイトルを取ることに貢献して、サポーターの皆さんに楽しんでもらえるように頑張りたい」と意気込み、鹿島の印象を聞かれた本田は「サッカーを知っているなと。試合運びとか、勝負強さが素晴らしいと思っていた。僕もしっかり学んで伝統を引き継ぎたい」と力説した。

 「クラブの伝統に恥じないようにチームの勝利に協力し、チームが目指しているタイトル獲得に貢献したい」と話したアレックスは02年の川崎F入団から福岡、柏、千葉をへて5クラブ目、10シーズン目のJリーグとなる。「日本のサッカーでは、FWはただ点を取ればいいのではなく、守備も求められる。守備と規律を守れるかどうかが必要」と、初来日のカルロンにアドバイス。これにはカルロンも「FWとしては点を取らないといけないが、チームが勝ち点3を取ることが一番の目標。チームメイトとともに多くの勝ち点3を取り、多くのタイトルを取ることが目標」と“フォアザチーム”を誓った。

 昨季は天皇杯を制したものの、リーグ戦は4連覇を逃し、ACLも2年連続のベスト16敗退に終わった。リーグ王者奪回、悲願のアジア制覇、そして前人未到の4冠へ。原点回帰の1年が、新たな黄金時代の幕開けとなる。

[写真]移籍加入した左からDF西大伍、MF本田拓也、FWカルロン、DFアレックス

(取材・文 西山紘平)

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