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岡崎の移籍問題で、清水が声明文を発表

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 清水エスパルスは13日、FW岡崎慎司のブンデスリーガ・シュツットガルト移籍に関して声明文を発表した。岡崎はベンチ入りが確実といわれていた12日のニュルンベルク戦をベンチ外となったが、この理由についてシュツットガルト側が、清水側が移籍手続きに必要な国際移籍証明書にまだサインをしていないため、選手登録が完了しなかったことが原因だと公表していた。

 “悪者扱い”された形の清水だが、これについて声明文を出して反論した。清水側によると、シュツットガルトは今回の移籍に関して、国際サッカー連盟(FIFA)の規約に基づいて2つのルール違反をしたために、正式な手続きをストップさせているという。

 “ルール違反”とは、シュツットガルト側が清水側にきちんと報告することなく岡崎のと契約交渉を進め、かつ清水側の合意なく1月30日に契約合意を発表したこと。もう一つは、契約日が1月31日と、まだ岡崎と清水との契約が残っている日に結んだことを指摘している。またこの場合、移籍金(違約金)もかかると指摘している。このことは日本サッカー協会にも報告済みという。

 清水側は、岡崎の移籍を阻止したいためではなく、こういうルール違反が常態化することを危惧して、今回のように抗議行動をとったという。「エスパルスは、株主、ファン・サポーター、スポンサー、選手、スタッフなど多くの人々に支えられており、FIFA規則に則らない今回の移籍手続きを認めることは、こういった皆さまに対する責任放棄であり、できないことであると考えております。シュツットガルトおよび(財)日本サッカー協会には、すでにエスパルスの立場を明確に説明しており、今後はFIFA に対しても正しいルールの適用を求める機会を求めたいと考えております」と理由を説明している。

以下、清水が発表した声明文

 清水エスパルスに在籍しておりました岡崎慎司選手(2011年1月31日付にて契約満了)のドイツ ブンデスリーガのシュツットガルトへの移籍に関する経緯を下記の通りご説明申し上げます。

 去る1月30日にドイツ ブンデスリーガのシュツットガルトより、岡崎慎司選手と契約したとの発表がされました。

 エスパルスは、岡崎慎司選手がドイツの名門クラブから高い評価を受けたことは非常に喜ばしいと考えておりますが、岡崎慎司選手の移籍の発表をシュツットガルトがエスパルスとの合意なしに一方的に行ったものであるため、エスパルスとしては困惑いたしました。

 岡崎慎司選手に限らず全ての選手の移籍は、契約とFIFAの規則に従って行なわれる必要があります。シュツットガルトの岡崎慎司選手の移籍に関する対応については、2つの重要な点でFIFA 規則の違反があると考えております。

 まず第一に、シュツットガルトは、FIFA の「選手の地位および移籍に関する規則」18-3項に従い、岡崎慎司選手との契約交渉を開始するに先立ってエスパルスに事前に通知することを全く行わずに岡崎慎司選手と契約交渉をしている点。

 第二に、エスパルスと岡崎慎司選手との契約が2011年1月31日まで効力があるにもかかわらず、シュツットガルトは2011年1月31日を契約開始日として岡崎慎司選手と契約をしている。このような契約を行う場合、FIFA の「選手の地位および移籍に関する規則」18-5項に従い、エスパルスと岡崎慎司選手の契約を期間満了前に終了させるための違約金についてシュツットガルトとエスパルスが合意しなければ、選手の移籍は認められないという点。

 エスパルスは、株主、ファン・サポーター、スポンサー、選手、スタッフなど多くの人々に支えられており、FIFA規則に則らない今回の移籍手続きを認めることは、こういった皆さまに対する責任放棄であり、できないことであると考えております。

 シュツットガルトおよび(財)日本サッカー協会には、すでにエスパルスの立場を明確に説明しており、今後はFIFA に対しても正しいルールの適用を求める機会を求めたいと考えております。

 エスパルスは、一刻も早く今回の移籍手続きに関する問題が解消され、岡崎慎司選手にドイツのピッチで活躍してもらいたいと考えております。そのために、全力で問題解決のための努力を行なっております。

以上

[写真]ベンチ外となったニュルンベルク戦をスタンド観戦した岡崎

(文 近藤安弘)

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