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[PSM]3つのポジションこなす新戦力、柏のカギ握るワグネル

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[2.20 ちばぎんカップ 柏0-1千葉 柏の葉]

 シーズン前の零封負けにも焦りはない。柏レイソルネルシーニョ監督は「初戦の出来としては及第点を与えたい。望んでいた結果ではないが、全体的に見て、良かったと思う」と、敗戦も淡々と振り返った。

 昨季、圧倒的な強さでJ2を制し、1年でのJ1返り咲きを果たした柏だったが、この日は攻撃に連動性を欠き、千葉の粘り強い守備を崩し切れなかった。メンバー自体は新外国人のMFジョルジ・ワグネルを除けば、昨季とほぼ一緒。2年ぶりとなるJ1での戦いを目前に控え、不安も残したが、指揮官は「まだ開幕前。フィジカル面などすべてにおいて去年の状態には戻っていない」と、プレシーズンは参考にならないと言わんばかりだった。

 コンディションの問題もあるだろうが、FWホジェル、MFレアンドロ・ドミンゲス、ワグネルという3人のブラジル人選手の個々の能力をいかにチームの中で生かしていくかは課題だ。ホジェルと2トップを組んだFW林陵平はシュート0本のまま後半24分にベンチへ下がったが、これが林個人の問題とは言い切れない。

 後半26分からFW大津祐樹がピッチに入ると、ワグネルは左SBにポジションを下げた。指揮官は「ワグネルのことは01年から知っている。彼の能力、できるポジションも分かっている」と、ボランチ、左サイドハーフ、左SBの3つのポジションで起用していく考えを明かし、ワグネル自身も「3つのポジションとも慣れているし、どれがやりやすいとかはない。チームの要求に応えていきたい」と話した。ユーティリティーなブラジル人選手は貴重な戦力だが、ベストな起用法を早く見つける必要もある。

 MF大谷秀和は「去年やってきたことに自信を持っているし、開幕から勝ち点3を取りに行きたい」と意気込むが、現状維持で勝ち抜けるほどJ1は甘くないだろう。だが、負傷で出遅れているMF兵働昭弘を含め、ワグネルら新戦力によるさらなる底上げを果たせれば、柏がJ1でサプライズを起こす可能性を秘めているのも確かだ。

[写真]新戦力のMFジョルジ・ワグネルがアクロバティックなキックを見せる

(取材・文 西山紘平)

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