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[デンチャレ]丸山決勝FK!山村MVP!全日本大学選抜が優勝

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[3.6 デンソーカップチャレンジ決勝 全日本大学選抜1-0関東A選抜]

 大学サッカーの地域対抗戦、第25回デンソーカップチャレンジサッカー大会は6日、大阪府堺市のJ-GREENで決勝戦を行い、全日本選抜チームが1-0で関東選抜Aチームを下して優勝した。大会MVPには、全日本選抜のMF山村和也(流通経済大3年=国見高)が選出された。

 優勝して当たり前という強いプレッシャーにさらされた全日本が面目躍如を果たす形となったが、試合内容は、思わぬ展開での決着となった。立ち上がりこそ全日本が押し気味に試合を進めたが、15分過ぎからは関東Aの一方的なペース。瀬沼優司(筑波大2年=桐光学園高)、安柄俊(中央大2年=東京朝鮮高)の強力2トップに素早くボールを集め、次々にシュートを浴びせた。

 しかし、ベンチからは神川明彦監督の「チャンス(のまま)で終わっちゃダメだ。決めなくちゃ!」という声が飛んだように、ゴール前のチャンスを決め切れなかった。25分、33分と絶好のチャンスを得た瀬沼のシュートは枠の外。全日本の中野雄二監督が「あそこで決められていたら……」と背筋を凍らせた場面だった。

 その後もスコアこそ動かないものの、関東Aの優勢は変わらなかった。だが、41分に一つのシーンが試合の流れを大きく変えた。全日本FW藤牧祥吾(中京大3年=清水ユース)と関東AのDF佐々木翔(神奈川大3年=城山高)が交錯。大きな接触はなかったように見えたが、ディフェンスのファウルと判定された。苦しい展開を強いられていた全日本は、この千載一遇のチャンスで「飛び道具」を発動。DF丸山祐市(明治大3年=國學院久我山高)が左足で蹴ったボールは、壁を越えてゴール右上へ吸い込まれた。

 全日本はこの一発で息を吹き返し、ペースを奪回。後半が始まるとMF奥埜博亮(仙台大3年=仙台ユース)やDF比嘉祐介(流通経済大3年=流通経済大柏高)のシュートで追加点を狙った。関東Aは選手交代で打開を図り、中でも12分に投入されたFW山村佑樹(明治大2年=F東京U-18)が積極的にドリブル突破を図り、試合の流れを変えようと試みた。しかし、終盤は全日本にががっちりとペースを握り、そのまま逃げ切った。

 優勝した全日本の中野監督は「関東Aは2トップに強さがあったが、山村をアンカーに起用することで相手の脅威を半減できた。ただ、大会を通じて山村がいる時といない時の差があるのは問題」と指摘。この問題をユニバーシアード日本代表の監督としても大きく捉えていた。(ユニバを考えると)大会全体を見て70点。負傷して離脱した八反田康平(筑波大)、六平光成(中央大)に復帰してほしい思いもあるけど、ドイツ遠征では新たなメンバーも試したい。特にセンターバックと右サイドバックは、4月の新入生も含めて呼んで見て、最終的にコンディションの良い選手で中国(ユニバーシアード)へ向かいたい」と、チームにさらなる競争を課すことを明らかにした。

 なお、決勝戦後には、大会MVPとベストイレブンが発表された。当初、発表が予定されていた海外遠征メンバーについては、所属チームへの確認のため後日に延期された。

[写真]前半41分、全日本大学選抜DF丸山(右)が決勝FK
(取材・文 平野貴也)
第25回デンソーチャレンジ堺大会特集

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