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チャリティーマッチ前日練習後の日本代表選手コメント

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 「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」(29日、長居)でJリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」と対戦する日本代表は28日、試合会場の長居スタジアムで公式練習を行った。
以下、練習後の選手コメント

●FW藤本淳吾(名古屋)
―チャリティーマッチと同時に代表定着のためにも大事な試合?
「定着していかないといけないし、明日出たらしっかりやるのは当たり前で、結果を残せるように頑張りたい」
―小野伸二は勝つ気でいたが?
「それは俺らも同じ。勝たないといけないし、とりあえず一生懸命やることが大事だと思う。チャリティーマッチだし、やるからには全力でやらないと意味がない」
―どんなプレーを見せたい?
「何かしら伝わればいいなと思うし、募金活動も2日やったし、名古屋でもやった。何か力になれればと思う」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―いよいよあす試合です。
「そうですね、楽しみです。いい準備ができていますし、Jリーグ選抜のほうもいい選手が多い。全力を尽くして、その中でたくさん個人としてもチームとしてもいいプレーを見せて、チャンスをいっぱい作っていやりたい。お互い良い選手がたくさんいるんで、魅力のあるゲームをして、少しでも一人ひとりの想いが届けられればいいなと思います」
―小野や小笠原、俊輔ら同世代の選手が多いので楽しみでは?
「もともと、ずっと代表に入ってやっていた選手がいるし、みんなが代表に入っている選手ばかり。楽しみですね。お互い良いプレーを見せ合えればいいですね」

●MF阿部勇樹(レスター・シティ)
―3-4-3という新しいことに取り組んでいるが?
「みんな3バックと言うけど、3も4も変わらないと思っている。システムで言い方が違うだけで、やろうとしていることは、感じとしてはあまり変わらないんじゃないかな」
―変わらないとは?
「ボールサイドが上がって逆サイドが下がったら4枚と一緒だし、4枚でやっているときもボールサイドが高い位置にいけば3枚と一緒だし。3から5になってはいけない3バック、というイメージ。3と4でやっていることはそんなに変わらない。ただ、浦和とは違うと主追いますね」
―帰国してから実家に行った?
「実家は(千葉県)市川市です。海に近い方なので、液状化で下が……。母校の東京学
館浦安(千葉県浦安市)も大変みたいです」

●MF柏木陽介(浦和)
―今合宿では一貫して3-4-3に取り組んできたが?
「難しい。今までにやってきた3バックと違う。でも、監督の中で試したいというのもあるのだと思うし、今回、チャリティーマッチを含めてこの合宿ができたことは大きいと思う。(3バックの練習をしたいという)そういう意味で26人という大勢を呼んだのかなと思う」
―ミーティングは?
「一番最初にやった。こういうのを試していきたいという話。明日、3バックでやるのかどうかは分からない。ザッケローニ監督は最後まで分からないんでね」
―全員出すという話を聞いている?
「何も聞いていない。俺は普通にやったほうがいいと思う。みんなが出ると(プレータイムが)半分以下の人が出たりもする。本気でやって流れの中で交代する方が盛り上がるとも思う」
―Jリーグ選抜の守備陣はW杯メンバーだが?
「ずっとJリーグでもやっているので、あまり意識せずにやりたい。そもそも向こうはJリーグ選抜といえど代表みたいなチーム。一生懸命負けないようにやりたい。向こうも代表レベルだし、ここで負けていたら代表に入っている意味がない。代表に残りたい」
―3日間、大勢の人が見に来てくれた。
「代表でこういう形でできたのはすごい良かった。サポーターがいるからこそ義援金を集められたり、僕らもがんばれたりというのがある。ありがたいし、その分、僕らはプレーで返していかないといけない。Jリーグと代表でサッカーを頑張って、またサッカーで日本を盛り上げていきたいなと思う」

●DF長友佑都(インテル)
―風邪を引いて休んでいたが、試合は大丈夫?
「疲れが出た感じです。でも、良くなりました。試合に出るつもりできょうも来た。大丈夫です」
―募金に参加できなかったが、状況は聞いたか。
「そうですね。募金とかすごくいいことだと思う。今回は自分が活躍するために帰ってきたわけじゃない。被災者のために何かできないかと思って帰ってきた。自分は(募金活動が)できなくて残念だった」
―相手はカズや俊輔ら、そうそうたるメンバーです。
「相手のメンバーを見たときにこれは、強いなと思った。カズさんとか俊輔さんとか、日本サッカーを引っ張ってきた人たちばかり。これからの日本のサッカーを僕らに任せられるぞと思われるようなプレーをしたい」
―被災者にどんなプレーを?
「たくさんの方が期待して見てくれていると思う。最後まであきらめない姿勢だったり、戦う姿勢を見せたい。少しでも元気を与えられるようなプレーをしたい。微力かもしれないけど、出たら頑張りたい」

●DF今野泰幸(F東京)
―小笠原とコンタクトを取り、東北の支援を行っているようだが。
「ミツオさんとは連絡をもらって、現地に行ったときに情報をもらったりした。衣類が足りないということだったので、東北出身の選手に呼び掛けて、物資を送ったりしました。これからもいろいろと選手にも協力を呼び掛けてやっていきたい」

●DF槙野智章(ケルン)
―守備陣が最後に監督から指示を受けていたが?
「守備のところも攻撃のところももう一度確認して、(練習で)3バックをせっかくやってきたんだから試したいと話していた。3-4-3のシステムの良さを引き出そうという話だった」
―相手には中澤や闘莉王がいるが?
「相手はたくさんいい選手がいる。DFとしては、(中澤)佑二さん、闘莉王さんの目の前で戦うわけで、今回は4番なので、闘莉王さんの背番号に恥じないプレーを見せたい」
―地震について。
「ニュースに関してはドイツで流れている方が正直ひどい映像だったけど、こっちに来てから今野とか関東の選手とかから話を聞くと、思っていたよりひどかった。良くなっているのかと思っていたけど、実際には全然良くなっていないんじゃないかという印象があった。少しでも被災者の方に、僕らのプレーで元気や勇気をもってもらえばと思う気持ちが強い。持っている力を最大限出すことで、みんなの心を動かすような。今回は日本が沈んでいないことを世界に示すいい機会になる。Jリーグ選抜も同じ仲間として力を与えられればと思う」
―カズさんとの対決もある。
「楽しみです。だれというより、日本代表とJリーグ選抜がいい試合をして、とにかく元気を与えないといけない。津波、地震で失ったものは多いけど、失っていないものも多い。僕らが元気を与えられればと思う」
―相手のGK、DFはW杯メンバー。負けられない?
「僕なんかは闘莉王さんと(中澤)佑二さんの目の前でしっかりプレーしないといけないし、闘莉王さん以上のプレーをしないといけないと思っている。背番号も4になったし」
―4番になってどう感じた?
「協会の人になんで僕が4番なのか聞いたら、タイプが一緒だからと。でも僕は(闘莉王とは)また違う選手像をつくっていかないといけないと思う。アジア杯では今ちゃん(今野)が付けていたんだけどね。今回僕は10番かなと思ったんだけどな(笑)」
―3バックについては?
「大阪合宿でやったとき以来。やり始めたばかりで非常に難しい部分があるんですけど、時間が解決してくれると思うので、今は頭でしっかり覚えて、そうすれば徐々に体も覚えてくると思う。3バックをオプションとして持っていれば、チームとしてのオプションが増える。スタートが4バックで、ゲーム展開によって3バックにしたり。チームとして幅が広がると思う」

●DF吉田麻也(VVV)
―最後は守備陣だけで監督に指導されていたが?
「明日、3枚で行くか4枚で行くか分からないけど、3枚で行くならどうしなきゃいけないという話。約束事の再確認をして終わった。戦術理解度を深めないといけない」
―相手には中澤や闘莉王がいるが?
「簡単に勝てる相手ではないけど、僕らは代表として勝たないといけない。チャリティーマッチというのを理由にせず、いいパフォーマンスを見せて戦うことが大事。相手はいい選手がたくさんそろっているし、経験ある選手がそろっているけど、勝ちにこだわってやっていきたい」

●DF岩政大樹(鹿島)
「3バックはある程度は徹底できている。今日はある程度やろうとしている意識が見えたと監督から話があった。習得することは自分のためにも、みんなのためにもなると思っている。高い意識で取り組んでいる選手が多いので、伝わるのも早いと思う。明日やるかどうか分からないけど、ある程度試合をしないとわからない部分はあるし、修正点も出る。それは大事なことだと思う」
―小笠原から被災地の話は聞いたのか?
「そんなには話していない。ズケズケ聞くのも不謹慎な気がするので。特に満男さんは出身地なので、感じるものは僕たちより強いと思う。僕らは少しでも協力できればいい」
―鹿島も被災して大変だったと思うが?
「大変だったけど、他の状況を見ると、僕らが大変だと言っていいのか分からない。被災者というのもおこがましい気がする」
―明日の試合は復興に向けた動きにもつながる?
「そういうことはメディアの皆さんが書けばいいことで、僕たちは自分たちのことを大きく考えたり、過信することなく、自分たちのできることをやっていくだけだと思う。それが何かにつながればいいと思うが、自分たちのやることに集中することが結果的にプラスにつながると思う。あんまり僕自身がいろんなことをしてあげようとか大きなことを考えるんじゃなくて、自分の仕事に集中する中でどこかにつながればいいと思っている」

●GK川島永嗣(リールス)
―合宿ではずっと3バックをやっていたが?
「システム自体、新しくやることで今までと違った難しさもある。すぐに完璧にできることではないけど、新しいことにチャレンジすることでプレーの幅も広がるし、選択肢も増えると思う。自分たちがやってきたことを積み重ねていきながら新しいことにチャレンジしていきたい」
―3バックだとGKのプレーも変わる?
「3バックにすることで後ろのスペースが空いてくるので、そこでうまくDFに声をかける部分も出てくる。大きくは変わらないけど、声をかけるとかそういう小さいところを自分としては心がけたい」
―相手には川口、楢崎がいるが?
「なかなかこういう形で対戦する機会はないし、楽しみでもあるけど、僕らは代表として戦う以上、いいプレーを見せないといけないし、結果を残さないといけない。僕たちもJリーグ選抜も、お互いのプレーが一つになって、今の日本が前向きに進んでいくための力になればと思う」
―結果にこだわる?
「向こうも代表経験者が多いし、経験豊富な選手が多い。やりがいのある相手だし、お互いが刺激し合っていける試合になれば」

(取材・文 西山紘平、近藤安弘、矢内由美子)

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