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新たな武器となる3-4-3、ザック「期待以上の出来だった」

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[3.29 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 日本代表2-1JリーグTEAM AS ONE 長居]

 急造システムにも及第点を付けた。実戦で初めてテストした3-4-3。昨年末の大阪合宿に続いて26日から始まった今合宿でも一貫して新システムにトライしてきたが、付け焼刃の面は否めなかった。それでも主力組で臨んだ前半はJリーグ選抜を圧倒。アルベルト・ザッケローニ監督は「期待以上の出来だった」と手応えを口にした。

「情報をインプットするのに3日間の日数しかなかったが、3日の割には、期待していたよりもいい出来だったと思っている」

 右サイドの内田篤人、本田圭佑、左サイドの長友佑都、岡崎慎司がワイドで数的優位をつくり、攻撃を仕掛ける。長友が「僕らが崩していかないと、サイドをこじ開けられないので、責任を持って岡崎と僕がサイドを崩していこうという気持ちでやった」と言えば、内田も「結構はまったと思う。ボールを前で取れた。パスカットが多かったと思う。攻撃に関しては狙ったことができた」と胸を張った。

 指揮官は「距離感に課題は残ったし、特にDFラインのところで押し上げ切れずに間延びしてしまったところもあったが、攻撃では裏に抜ける動き、進入する動きがよかったと思う」と攻撃面の成果を強調する。ウディネーゼ監督時代の97-98シーズンにセリエAで3位に躍進するなどザッケローニ監督の代名詞とも言える3-4-3。その“伝家の宝刀”をついに日本代表にも取り入れた。

「3-4-3のシステムは非常に難しい。時に5バックになってしまうが、私は5バックになるのは好きでない。3で守れるところに魅力を感じているから、試合の状況に応じて使っていけるようになればいいなと思う。ただ、日本人の選手にこのシステムは合っているなとは思う」

 あくまでベースは4-2-3-1になりそうだが、3-4-3が貴重なオプションとなるのは間違いない。アジアから世界へ。チャリティーマッチという場を借り、ザックジャパンがまた一つ次のステップへ進んだ。

(取材・文 西山紘平)

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