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横浜FM、相性の良い埼スタで堅守維持、栗原「我慢して守るところで守れている」

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[5.3 J1第9節 浦和0-2横浜FM 埼玉]

 集中を切らさず、粘り強く跳ね返した。堅守はこの日も健在だった。横浜F・マリノスは浦和の猛攻をしのぎ2-0の完封勝ち。今季はまだPKによる2失点のみで、流れの中では失点していない守備力が、ゴールに鍵をかけた。

「我慢する時間が長かった。今年は我慢して守るところで守れている。それが結果につながっている」

 日本代表DF栗原勇蔵は手応えを口にした。もともと、栗原や元日本代表DF中澤佑二が率いるDFラインは強固だったが、昨年は勝負どころで失点する場面があった。今年はまだ4試合とはいえ、守り切れている。たしかにPKでの失点もあるが、名古屋(1-1)、鹿島(3-0)、清水(1-1)、浦和(2-0)と攻撃力のあるチームとの対戦が続いても抑えられているのは、成長している証だ。

 敵地での浦和戦は2006年11月の敗戦を最後に、ここまで3連勝で4戦不敗と相性がいいが、この日は圧倒的に攻め込まれた。FWエジミウソンやMFマルシオ・リシャルデスの個人技はもちろん、原口元気や田中達也のサイドアタッカー、さらに宇賀神友弥、高橋峻希の両SBも果敢に攻撃参加してきた。しかし、中央は栗原らCB陣やボランチが踏ん張り、サイドは小林祐三と波戸康広のSBに加え、中村俊輔や兵藤慎剛のサイドMFも下がって守備に奔走した。結果、4連勝&5戦不敗に伸ばした。

 栗原は「浦和はワイドにFWも開いてきたけど、1対1で負けないようにすれば大丈夫かなと思っていた。そこはある程度、抑えられたと思う」としてやったりの表情。俊輔は「高い位置から守備に行くと長い距離を走られるので、なるべく自分の前からスタートさせるようにした。堅守が続く理由? 忍耐。我慢強く、したたかに。そのへんじゃないですか」と明かした。

「これからいろんなことが起きてくると思う。それに対応できるようにしておかないといけない。きょうは2-0だったけど、もっと詰めないといけないことがある。次の試合が大事になる。僕らがやろうとしていることをやってくるだろうから……」

 俊輔は早くも次戦7日にホームで戦う福岡戦を見据え、警笛を鳴らした。これまでは格上との対戦が続いた。攻撃的にくる相手に対して、横浜FMはまずは守備からと、戦い方がはっきりしていた。しかし福岡は、同様に守備から入り、カウンターを狙ってくるチームで、応用力が試される。堅守が本物かどうか、真価が問われそうだ。

[写真]浦和FWエジミウソンをマークする横浜FM栗原

(取材・文 近藤安弘)

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