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東日本地区選考会、全32選手がしのぎを削る

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 来月6月にイタリアで行われるアンジェロ・ドッセーナ国際ユース大会に出場する全日本大学選抜U-20入りをめざす東日本地区選考会が10日に、明治大・八幡山グラウンドで行われた。故障中のMF中山雄登(流通経済大2年=広島ユース)を除く、各大学の1、2年生で選抜された32選手がA・Bの2チームに分かれ、45分間2本の試合で各々の持ち味をアピールした。試合はAチームが6-1で勝利した。

 以前から全日本大学選抜の強化合宿や海外遠征は行われてきたが、全日本大学選抜U-20というカテゴリーの代表が海外での大会に出場して、強化を行うのは初めての試みとなる。かつてU-22代表のDF山村和也(流通経済大4年=国見高)やDF比嘉祐介(流通経済大4年=流通経済大柏高)が下級生時の流通経済大が同大会に出場したことがあったため、今回の実現につながったという。全日本大学選抜の大平正軌コーチ(流通経済大)は「1、2年生というのは高校やユースから(大学へ)入ってきて、中だるみになりやすい時期。実際にユースの選手でトップに上がれずに大学に来た選手など、モチベーションもバラバラ。そういう年代で大会に出るというのは意味がある」と大会に参加する意義について話した。

 同大会にはインテルやミランなどセリエA(イタリア)の強豪チームの下部組織に加えて、セリエC所属クラブも出場予定となっている。「大学からJリーガーをめざすだけではダメ。世界を見ないといけない」と大平コーチは話す。かつて同大会に出場した際は、世界との差を目の当たりにしたことで、帰国後に競技人生に見切りをつけ、サッカーから離れた選手もいたという。そういう意味では「リスクもある」と同コーチ。しかし世界に挑戦し、自らとの距離を測ることができる、絶好の機会であることは間違いない。だからこそ、誰もが選抜入りを果たしたいという強い気持ちで、この日の選考会に臨んでいた。

 今回の東日本地区選考会には、この世代の代表となるFW赤崎秀平(2年=佐賀東高)やDF谷口彰悟(2年=大津高)、MF椎名伸志(2年=青森山田高)などは招集されていない。というのも、彼らは現段階で、8月に全日本大学選抜が出場するユニバーシアード大会(中国・深セン)でも主力選手として考えられており、今回のイタリア遠征で故障した場合、同大会への影響があると連盟側から判断されて、招集を見送られた形となった。

 同選抜チームの監督は桃山学院大の松本直也氏が務めることになる。この日の紅白戦を見て、松本監督は「1、2年生ですから所属先での出場が少ない選手が多い。前めの選手は途中出場で出ているケースがあるが、後ろの選手はなかなか経験が積めていない。CBや守備の選手に不安はあります」とコメントしながらも、「日本では味わえない経験ができるというのをポジティブに考えたい。あす西日本の選考会も見ますが、メンバーは、きょうの東日本地区の選手が中心になるとは思います」と話した。あす11日には阪南大グラウンドで西日本地区選考会が行われる。 

以下、紅白戦でのチーム


▽GK
本永絃(愛知学院大1年=東京学館新潟高)
▽DF
廣木雄磨(東京学芸大1年=F東京U-18)
梅澤諒介(流通経済大2年=流通経済大柏高)
岡崎亮平(中央大1年=湘南ユース)
谷奥健四郎(順天堂大1年=四日市中央工高)
小川大貴(明治大2年=磐田ユース)
▽MF
佐藤明生(道都大2年=札幌U-18)
佐々木陽次(東京学芸大1年=F東京U-18)
碓井鉄平(駒澤大2年=山梨学院高)
清水貴文(中京大1年=磐田ユース)
天野純(順天堂大2年=横浜FMユース)
嶺岸光(仙台大2年=聖和学園高)
中山雄登(流通経済大2年=広島ユース)
▽FW
野間涼太(明治大2年=青森山田高)
皆川佑介(中央大2年=前橋育英高)
松本大輝(法政大2年=大津高)


▽GK
シュミット・ダニエル(中央大2年=東北学院高)
真辺勇気(流通経済大2年=高知中央高)
▽DF
田中僚(新潟経営大1年=新潟ユース)
本名正太郎(専修大2年=川崎F U-18)
木村圭佑(中央大1年=大宮ユース)
松藤正伸(明治大1年=F東京U-18)
▽MF
長澤和輝(専修大2年=八千代高)
茶島雄介(東京学芸大2年=広島ユース)
熊谷達也(仙台大1年=柏U-18)
葺本啓太(筑波大2年=浦和ユース)
中野嘉大(筑波大1年=佐賀東高)
鈴木貴也(愛知学院大2年=磐田ユース)
山崎直之(東京学芸大2年=F東京U-18)
牧野修造(中京大1年=東京Vユース)
後藤拓斗(青山学院大1年=横浜FMユース)
▽FW
原之園卓也(青山学院大1年=國學院久我山高)
山本大貴(駒澤大2年=ルーテル学院高)

(取材・文 片岡涼)

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