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鹿島は今季4戦目で3度目の3失点、小笠原「前半は死んでいた」

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[5.15 J1第11節 川崎F3-2鹿島 等々力]

 07年から09年まで前人未到の3連覇を成し遂げた元王者の面影は見えない。鹿島アントラーズは今季3度目の1試合3失点。ACLは無敗でグループリーグを突破したものの、リーグ戦はここまで4試合で1勝1分2敗と苦しんでいる。

「残念ですね。特に前半は。死んでましたね」。MF小笠原満男は試合後、吐き捨てるように言った。前半はわずかシュート2本。サンドバッグのように川崎Fの猛攻を浴び、手も足も出なかった。川崎FのMF中村憲剛にも「いつもの鹿島っぽくないというか、多少疲れもあるのかなと思った」と言われるありさまだった。

 ハーフタイムに選手同士で話し合い、後半は立て直すことができた。後半5分にMF遠藤康のゴールで1-2と1点差に迫り、その後もチャンスをつくった。しかし、反撃及ばず、カウンターから決定的な3失点目を喫し、2-3の敗戦。小笠原は「後半はいいところが出た。あれを前半からやりたいし、やればできるんだから気持ち的な問題だと思う。戦えないならピッチに立つ資格はない」と厳しい口調で言った。

 選手は「気持ちの問題」と声をそろえる。故障者の続出、ACLを含めた過密日程など要因はいくつか考えられる。しかし、鹿島らしい粘り強さやしたたかさが見えてこない。昨季は34試合で31失点とリーグ最少の数字を誇った守備陣は今季4試合で10失点。1試合平均2.5失点は、6試合で13失点の最下位・福岡の2.17よりも多い。リーグ4連覇を逃した昨季、負け数はリーグ最少の6敗ながら引き分けが12(新潟の13に次ぐ数字)と勝ち切れない課題を露呈したが、今季は4試合で早くも2敗目を喫してしまった。

 DF伊野波雅彦は「気持ちの部分が、試合を見ている人にも見えなかったんじゃないかと思う。本当にこいつら勝ちたいのかって。サポーターに失礼なことをした」と反省。「ここ数年、同じ過ちを何回も繰り返している。去年と比べると、流れが違うなと。若い選手が多いし、悪い雰囲気を変えていかないといけない。ベンチにもいい選手がいるし、そういう選手が奮起しないといけないと思う」と危機感を強めていた。

[写真]ユニフォームで顔を覆うMF小笠原満男

(取材・文 西山紘平)

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